公明党 参議院議員/全国比例区 塩田ひろあき

活動報告

盛土規制法が可決/規制と罰則の強化などで災害防止対策に

2022年05月19日

19日の参院国土交通委員会で、宅地造成等規制法の一部を改正する法律案(通称=盛土規制法案)が全会一致で可決しました。

私の質問では、国の総点検で見つかった「不適切な盛土箇所」の災害防止対策のほか、公共工事だけでなく、民間工事からも搬出される建設発生土について、適切に処分されるよう、ICT技術を活用したトレーサビリティシステムの導入、さらに、国は法律施行後に各自治体をしっかりサポートして「熱海市の土石流災害のような事故を二度と起こさない」体制の整備などを訴えました。

盛り土規制法で災害防止対策などを強調 (5月19日)


■以下、質問の要旨を掲載します。

本格的な梅雨入りを前に、先週12日から14日には西日本から関東地方の太平洋側で、早くも局所的に記録的な豪雨が降りました。やはり近年の雨の降り方は、確実に激しさを増しており、従来の想定を超えた災害に備えて、あらゆる手立てを早急に講じるべきです。

昨年7月に静岡県熱海市で発生した土石流災害では、豪雨によって上流部の盛土が崩壊したことが被害の甚大化につながり、多くの生命が奪われました。ここで、改めて哀悼の意を表します。
4月21日に本委員会でも、熱海市の崩落現場を視察させていただきましたが、「この災害を二度と繰り返してはならない」と、強く決意を新たにした次第です。

しかし残念ながら、熱海市のような不適切な盛土の崩落による人的・物的被害は全国で確認されており、昨年8月から国交大臣の指揮の下、関係省庁や各自治体が連携して実施された総点検の結果においても、約1,100箇所で、必要な災害防止措置が確認できなかった問題のある盛土箇所などが確認されています。

1.総点検の点検項目と点検方法について

①目視等による点検で実施可能な点検項目

そこで先ず、この実施済みの総点検について国交省に伺います。
昨年8月から総点検に取り組み、約半年を経た令和4年3月末時点で、対象箇所3万6,354カ所のうち、3万6.310カ所、99.9%の点検が完了したとのことですが、この点検方法は「目視等による」と国交大臣も答弁されています。「目視等による」の「等」とは、「目視」以外に具体的にどのような点検方法を指すのでしょうか。また「目視等による」点検で実施可能な点検項目とは、どのような内容だったのでしょうか。

②より詳細な点検の必要性について

盛土については、これまで全国の状況を網羅的に調査した例はなく、実態が判然としていなかった中、今回の総点検によって、全国約1,100箇所で問題の盛土が浮かび上がったことは、本法律案の提出につながる基礎的なデータともなり、大いに評価するものです。

一方で、私が重視したいのは、「目視等による点検」だけでも、約1,100箇所見つかったということは、より詳細な点検、例えば一部を掘り起こして、コンクリート塊(かい)等の廃棄物が混じってないかとか、一見、水路が設置されていても詰まっていないか──などの点検を実施したとすれば、もっと危険で不適切な盛土箇所が見つかる可能性が高いのではないか、ということです。この点について、国交省の見解を伺います。

③問題の盛土箇所には速やかな災害防止対策を

本法律案においては、都道府県等は、定期的(概ね5年ごと)に規制区域の「基礎調査」を実施するとなっていますが、この基礎調査とは別に、法律の成立・施行を待たずとも、災害を未然に防ぐため、より詳細な総点検を実施できるのではないでしょうか。

特に、今回の総点検で明らかになった約1,100箇所の問題箇所については、「目視」から一歩踏み込んだ調査・点検を行うとともに、一刻も早く速やかに、必要な災害防止対策を講じるべきだと考えます。災害が起きてから「想定外の盛土だった」では済まされません。国交大臣の見解を伺います。

2.建設発生土の適正な受け入れについて

次に、建設発生土の適正な受け入れについて質問します。

①地方公共団体の公共工事の指定処分

国交省の「建設リサイクル推進計画2020」という資料によると、平成30年度の建設発生土の総量のうち、公共土木事業が、約2億4,425万立方メートルと全体の8割以上を占めています。公共事業においては、現場から搬出される建設発生土は、搬出先を発注者が指定する「指定処分」となっており、国の発注工事では、ほぼ全ての工事で指定処分されていますが、地方公共団体の発注工事では、約19%の建設発生土が指定処分されていません。

これは、地方の19%の公共工事において、未だに建設現場から発生し搬出される残土などが自由に処分されている。すなわち、発注者が知らぬまま、不適正な盛土として処分されている可能性があるということでしょうか。国交省の見解を伺います。

②地方公共工事の指定処分の現状が法改正で解消されるのか

今の質問に関連して、地方公共団体の発注する公共工事で「指定処分」が100%になっていない要因は、いかなる理由によるのでしょうか。そして、本法律案によって、その要因が解消される方向性になるのか、国交省の見解を伺います。

③建設発生土のトレーサビリティの確保

また、同じく、平成30年度の建設発生土の総量のうち、工事現場から場外に搬出される建設発生土は、約1億3,263万立方メートルです。その場外に搬出される土のうち、約4割が内陸の受入地に搬出されているということですが、これらが不適切に処分されないように、建設発生土のトレーサビリティの確保について、発生元から最終処分地までに多数の業者を経由することもあり、移動実態の把握は難しいかも知れませんが、ICT技術を活用したトレーサビリティシステムの導入を図るべきではないでしょうか。

また、トレーサビリティシステムの導入が困難であっても、本法律案によって、一定のトレーサビリティの実効性が確保されるようになるのか確認したいと思います。

④民間工事における建設発生土の計画制度の強化

公共工事においては、全ての発注者に発注段階で建設発生土の搬出先を指定する「指定利用」の原則実施を要請するとのことですが、民間工事についても、現行制度の「資源有効利用促進法」により、元請け業者に対し、残土処分場など搬出先を記載した「再生資源利用促進計画書」の作成・保存が義務付けられています。

本法律案によって、民間工事から発生する建設発生土の利用計画制度は、どの点がどのように強化されて、より搬出先が明確化されるようになるのでしょうか。

また、不法盛土の監視を強化するためには、許可地一覧の公表や建設現場への看板などの掲示を義務化すべきです。さらに掲示については、現場に行かないと分からないようでは、監視力が半減しますので、地元の市区町村や住民からもチェックできるように、インターネットで公表することも検討すべきだと考えます。国交省の見解を伺います。

3.地方公共団体の負担増について

①地方公共団体の具体的なサポート体制

本法律案による「基礎調査」や「規制区域の指定」「盛土等の工事の許可」等に当たり、都道府県等の担当部局においては事務負担の増加だけでなく、技術系の職員不足が指摘されていることもあって、国が示す基準などを自治体が使いこなせるようにするためには、国によるサポートが必要になるのではないでしょうか。

衆議院の国土交通委員会における国会答弁によると、政府は、本法律案の運用に関して、都道府県等に対し、丁寧なガイドライン等を示し、国交省の地方整備局による技術的な支援等を講ずるとしていますが、外部のコンサルティング会社の活用なども含めた具体的なサポート内容をお示し下さい。