公明党 参議院議員/全国比例区 塩田ひろあき

活動報告

DV防止法改正案で質問/内閣委員会

2023年04月06日

内閣委員会でDV防止法について質問

第211回国会 参議院 内閣委員会 第6号 令和5年4月6日

○塩田博昭君 公明党の塩田博昭でございます。
今日はDV法についての審議でございますので、その中でも基本的な課題について一つ一つ今日は確認をさせていただきながら質問をさせていただきたいと、このように思っております。
では、まず最初に、DV被害の相談体制の強化についてお伺いをさせていただきたいと、このように思います。
DV被害の相談件数は年々増加する一方でございますけれども、内閣府の調査によると、女性の約四割、男性の約六割が誰にも相談していない、こういう実態がありまして、そして、相談しても家族や友人がほとんどであると、こういうことでございます。これは、やはり配偶者暴力相談支援センターや警察、児童相談所などの専門機関への相談までに十分に至っていないと、こういうことを表しているのではないか、このように思います。
そこで、メールやSNS、電話などを活用した相談体制の拡充や幅広い広報もやはりもっとする必要があると思いますし、第三者の気付きを見過ごさない取組ということも大事であると、このように思っております。小倉大臣にお伺いしたいと思います。

○国務大臣(小倉將信君) 塩田委員の問題意識、非常に重要だと思っております。
DVの相談体制の拡充につきましては、内閣府では令和二年四月からDV相談プラスを実施しております。このDV相談プラスでは、被害者の多様なニーズに対応できるよう、二十四時間対応の電話相談に加えて、SNSやメール等での相談への対応、さらには、全国の民間支援団体のネットワークとも連携をしまして、必要な場合には関係機関への同行支援や保護まで対応することとしております。
また、被害者本人からの相談のほか、第三者からの通報も受けている全国の配偶者暴力相談支援センターについて、令和二年十月から、全国どこからでも共通の短縮ダイヤル、シャープ八〇〇八に掛ければ最寄りの配偶者暴力相談支援センターにつながるDV相談ナビダイヤルを導入し、はれればの語呂合わせでカードの作成、配布等により広報の徹底も図っておるところであります。
今後とも、DV相談プラス及びDV相談ナビダイヤルの運用によりましてDV相談体制を充実させると同時に、相談や支援を必要としている方々にしっかりと行き届くように、その周知に努めてまいりたいと思っております。

○塩田博昭君 大臣、ありがとうございます。
やはり、このシャープ八〇〇八とか、こういう一つ一つについてまだまだやっぱり広報がこれから更に必要なんだろうなというふうに思っておりますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
そして、児童相談所との連携強化についてお伺いしたいと思います。
配偶者への暴力と子供への虐待がやはり同時進行しているケースが増えていると思います。このために、現行法にも配偶者暴力相談支援センターと児童相談所との連携強化が明記されていますけれども、各自治体における連携はやはりまちまちでございまして、十分に進んでいない自治体もございます。児童福祉法では児相が必要と判断すれば保護者の同意なしで子供を一時保護できますけれども、DV防止法では同意がないと子供の保護はできません。
そこで、DV担当の職員と児相が様々な子供の事例を想定して更に連携強化への取組や子供への心理的援助を進めるべきでありますが、その取組について小倉大臣にお伺いしたいと思います。

○国務大臣(小倉將信君) 御指摘のとおり、そしてこれまでも議論にありましたように、いわゆる面前DVを含め相当数にわたって配偶者への暴力と未成年の子への虐待が同時に起きている状況があると認識しております。
医学的又は心理学的な援助を必要とする子供に対しては、児童相談所において、精神科医や児童心理司等が連携を図りながら個々の子供の状況に応じてカウンセリング等を実施すること、また、子供が安心して安定した生活ができるよう継続的な支援を行うことが必要と考えております。
今回の改正法案におきましても、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する協議会の法定化、これを予定しております。こうした法定協議会の活用や、要対協への配偶者暴力相談支援センター等への参画など、配偶者暴力対策と児童虐待対策についての連携を一層強化をするため、基本方針の改正を含め、しっかりと対応していきたいと考えています。

○塩田博昭君 ありがとうございます。
今のは、やはり子供に対して、一時保護であるとか、やはり心理的な支援をしっかりやっていく、こういうことが必要であるということなんですけれども、子供を保護することができても、もう一つの、まあ関連してですね、児相によって子供を一時保護できたケースでも、同じように、配偶者などからDVを受けている大人がその一方でいると。
こういう中で、被害者に気付きを促すこと、要するに、本人自身が自分が悪いからなんだといってなかなか気付いていない、こういうケースがあったり、その本人に対する気付きを促したり、きちっと聞き取りをしてあげる、こういう丁寧なやはり対応が必要であると、このように思います。
こうした児相との連携について見解をお伺いいたします。

○政府参考人(岡田恵子君) お答え申し上げます。
御指摘のとおり、個々の事案の対応については、配偶者からの暴力と児童虐待は密接に関連するものであることを踏まえた丁寧な相談対応を始め、関係者の連携を一層強化することが重要であると考えております。
内閣府におきましては、これまでも、配偶者暴力相談支援センターにおける要保護児童対策地域協議会、要対協への参加の促進、DV対応に当たる相談員等と児童相談所の職員の双方を対象とする研修の実施等の取組を進めてきたところでございます。
さらに、今般の改正がなされれば、その内容を踏まえまして、配偶者暴力相談支援センターと児童相談所等がそれぞれの立場で考え得る対応を積極的に共有し対処すべきである旨を基本方針等で明確に示したいと考えております。

○塩田博昭君 ありがとうございます。
そして、新たな保護対象となった精神的DVについてお伺いをしたいと、このように思います。
相談内容の約六割を占める精神的DVによって心身に重大な被害が生じた例がやはり数多く報告をされております。身体的なDVに加えて精神的DVに踏み込んだことはとてもやはり重要なことでございますけれども、精神的な症状は仕事や様々な人間関係なども複合的に絡まっている、こういうケースがあると思います。
そこで、精神的DVに対して医師の診断書などによって迅速な対応がやはり必要であると、このように考えておりますけれども、どう早期発見をしていくのかについて工夫が必要であると、このように思います。これについて、岡田局長、お伺いしたいと思います。

○政府参考人(岡田恵子君) お答え申し上げます。
御指摘のとおり、被害者は、繰り返される暴力の中でPTSD等の障害を抱えることもあり、また、加害者からの追及の恐怖、経済的な問題、将来への不安等により精神的に不安定な状態にある場合もございます。
接近禁止命令につきましては、身体に対する暴力等によりまして、うつ病やPTSD等のような精神医学の見地から配偶者暴力の被害者に見られる症状で通院加療を要するものが既に認められる場合で、配偶者からの更なる身体に対する暴力等を受けるおそれがある場合には、その生命又は心身に重大な危害を受けるおそれが大きいと考えられることから、診断書の活用について明確にしていきたいと思います。
また、配偶者暴力相談支援センターにおいても、被害者の心身の健康を回復させるため、医学的又は心理学的な指導を行うこととなっております。繰り返し家庭内で暴力を受けてきた被害者が心理的な安定を取り戻すためには回復のための一定の期間を経る必要があり、基本方針において、被害者が地域での生活を送りながら回復を図るためのカウンセリング等を受けられるよう必要な対応を取ることとしております。
さらに、精神的な被害を受けた被害者が早期に必要な相談や支援につながるよう、今般の改正がなされれば、その内容も踏まえ、更に必要な対応がないか、基本方針の見直しにおいて検討したいと考えております。

○塩田博昭君 どうかよろしくお願いいたします。
そして、医療機関からの通報の強化についてお伺いをしたいと、このように思います。
やはりDVの早期発見には、医療機関がDV被害を見付けた段階での通報というのが非常に有効であると、このように考えます。しかし、今回の改正案でせっかく精神的DVが保護対象になっても、暴力の発見者による通報は身体に対する暴力に限るとの規定が変更されていないために、精神的DVを医師が発見しても通報の努力義務が課されていない、こういうことになってしまっています。
そこで、例えば法案の国が定める基本方針の中に精神的DVを発見した医師が自治体の関連機関等への通報の努力義務を書き加えるべきではないかと、このように思いますけれども、小倉大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(小倉將信君) 配偶者暴力防止法におきましては、医師に本来の業務以外に通報義務を課すことの是非や、多くの場合成人である被害者の意思の尊重等を考慮する必要があること、医師等が被害者の意思を無視し通報することとなると、通報を嫌う被害者が配偶者からの暴力で負傷した場合などに医師等にかからないことになるおそれがあることから、議員立法による法制定時において通報することができるとの規定になったと承知をしております。また、配偶者暴力相談支援センター等の利用についての情報提供の努力義務があり、被害者の意思を尊重した被害者の保護を図っております。
その上でですが、塩田委員の御提案も踏まえ、被害者の生命又は心身に対する重大な危害が差し迫っていることが明らかな場合には医師がちゅうちょすることなく通報ができるよう、基本方針の活用を含めて何ができるのか、必要な対応を進めていきたいと考えております。

○塩田博昭君 大臣、ありがとうございます。
ともかく、医師からの通報は様々な今大臣がおっしゃったような難しさもありますけれども、その一方で、やはり本人が本当に命に及ぶような被害を受けていても、なかなかやっぱりその本人が通報することに対してちゅうちょしてしまうようなことがあってはいけないだろうと、このようにも思いますので、やはりそこは医師との連携ということがやっぱりしっかり前に進むことが必要であると、このように思っていますので、どうかよろしくお願いいたします。
そして、保護命令の発令件数の減少についてお伺いをしたいと思います。
三年間続いたコロナ禍の中で、特にやはり全国の配偶者暴力相談支援センターに寄せられた相談件数、急増しております。また、高止まりもしている一方で、保護命令の発令件数は平成三十年の千七百二十六件から令和四年の千八十二件へと減少を続けているということでございまして、やはりなぜ保護命令の発令件数が減り続けているのかについて、私の前にも議論が行われましたけれども、改めてその要因が何か、どう分析しているのかについてお伺いをしておきたいと思います。

○政府参考人(岡田恵子君) お答え申し上げます。
最近の配偶者からの暴力に関する相談件数等が増加傾向にあります中、相談内容の約六割を占める精神的な暴力による心身に重大な被害が生じた例も報告されております。一方で、委員御指摘のとおり、保護命令の認容件数は一貫して減少しております。
この要因としては、現行制度では身体に対する暴力などを受けた被害者のみが対象となっていることや、被害実態に照らして接近禁止命令の期間が短いなどの課題があったと考えてございます。このような考えの下、本改正案を提出させていただいたところでございます。

○塩田博昭君 次に、保護命令の発令までの期間短縮についてお伺いをしたいと思います。
DV被害者が裁判所に保護命令を申し立てても、発令までにやはり平均十二・七日間掛かっております。今回の改正案に精神的DVが盛り込まれたことは重要な改正である一方で、身体的DVと比べてやはり精神的DVの立証の難しさなども加わって、保護命令発令までに更に期間が延びるのではないかという懸念もあります。
この保護命令の発令までに、裁判所が、結局本人が申立てに行き、そしてさらに双方から意見を聞き取る、こういう段取りが必要ですので、一定の時間が必要なのは十分分かっておりますけれども、二週間近くはやはり長いのではないか、このように思うんですね。
事案の緊急度に応じてもっと期間を短縮して保護命令を発令できないのか、これについて小倉大臣の見解をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(小倉將信君) 保護命令の発令までの期間、それ自体については司法権である裁判所に関わる事項でありますので、お答えは御容赦願いたいと思いますが、その上で、証拠書類の収集の負担が保護命令の申立ての支障になることを避ける必要があるとも考えておりまして、また、申立ての段階から必要な情報を裁判所に提出することで迅速な裁判に資するものとも考えております。
このため、法の見直し時におけるワーキング・グループからの提言も踏まえつつ、配偶者暴力相談支援センターによる申立ての支援強化を図りたいと考えております。また、配偶者暴力による被害者が必要な相談、法律相談等の支援につながりますよう、内閣府において法務省、法テラス、日本弁護士連合会と協議を行い、配偶者暴力相談支援センターと法テラス、弁護士会との連携の一層の強化を図ることとし、先般、各都道府県に所要の事務連絡を発出したところであります。
こうした取組や一時保護の活用を含めまして、まず何よりも被害者に危害が生じないよう尽力をさせていただきたいと思います。

○塩田博昭君 大臣、ありがとうございます。
ともかく、裁判の方の期間というのは我々でどうこうすることはできないわけですけれども、そこまでに至る前の申立てを支援をしていく、それが期間を短縮する一つの材料になる、こういうことにもなると思いますので、是非そういうところについてお願いをしたいなというふうに思っています。
そして、一方で、制度が使いづらいのではないかという指摘もございまして、今回の法改正を機に自治体による保護体制を強化すべきだと、このように思っています。
例えば、自治体の施設や民間シェルターなどに一時保護した後、実情に応じて、保護命令の発令前であっても公営住宅の入居など弾力的な支援が可能なのか。今回の改正案の都道府県が定める基本的な計画の中に被害者の実態に沿った具体的な支援を明記できるようにすべきと考えますけれども、見解をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(小倉將信君) 今回の法案では、都道府県基本計画の記載事項として、被害者の自立支援のための施策、当該都道府県、関係地方公共団体及び民間の団体の連携、協力に関する事項を追加をすることといたしております。
また、昨年度におきましても、保護命令の発令にかかわらず、配偶者暴力相談支援センター等への相談の事実を踏まえ必要な支援が図られるようにすることも含め、委員御指摘の公営住宅の入居、雇用保険制度上の特定理由離職者としての扱い、医療や年金に係る社会保険などについて、被害者の生活再建支援の強化のために必要な対応を整理し、先月、各地方公共団体に周知を、通知をさせていただきました。都道府県の基本計画につきましては、国が定める基本方針に即してこれを定めることとなっております。
今般の改正がなされれば、塩田委員の御指摘もしっかりと受け止め、被害者の実態に沿った具体的な支援につながりますよう、現行の基本方針に記載すべき事項をまず洗い出し、見直しを図ってまいりたいと思います。

○塩田博昭君 この保護命令前というのは結構難しいことがいろいろ起こるケースがございまして、今大臣、保護命令前でも対応可能なものを述べていただきまして、大変にありがとうございます。
そして、今と同じような、関連して、DV被害によって自治体の保護施設や民間シェルターなどで一時保護中の母子等に対する公的支援についてお伺いをしたいと思います。
保護命令の発令前やその後に関係なく、政府や自治体が行う、例えば低所得世帯に対するいろんな支援、またその一人親家庭への支援金などについて、自治体がDV被害者であることを把握をしている場合で、公的支援がちゃんと行き届くようにしてもらいたいというふうに私のところにも様々な声を実はいただいております。これまで保護命令が出ていないということを根拠に一部の自治体では公的支援が届かないという事例が発生をいたしまして、そこを支援している団体からも私何度もお叱りをいただいたところでございます。
今回、様々な事情によって保護命令を出していない場合でも実情に合わせて公的支援が行き届くように、例えば事務連絡を出すなど、そういう工夫をしていただきたいと思いますけれども、小倉大臣の見解をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(小倉將信君) 委員御指摘のとおり、コロナ禍におきまして、保護命令が出ていない、これを根拠にして一部の自治体で公的支援が届かない事例があったと私どもも承知をしております。
内閣府においても、公的支援の制度所管省庁と連携をして、配偶者からの暴力の被害者が適切に扱われるよう通知を行ってきたところでもありますが、塩田委員の御指摘も踏まえまして、法案をお認めいただいた暁には、基本方針の活用等も含めて、さらに、この保護命令が出ていないことを理由に公的支援が受けられないといった被害者が出てこないよう、必要な対応を図ってまいりたいと考えております。

○塩田博昭君 大臣、ありがとうございます。
本当に基本方針にしっかり書いていただければ、そこの次の段階で都道府県の方でもそれに対してしっかり対応できると、このように思っていますので、是非よろしくお願いをしたいと思います。
そして次に、民間シェルターとの連携の強化についてお伺いをしたいと思います。
DV被害者が配偶者等の暴力から逃れて自立の道を歩む上で、地域における民間シェルターは重要な役割を担っていると、このように思っております。公的シェルターに加えて、民間シェルターが被害者のニーズに沿った柔軟な支援を行っていっているところは結構ございます。そして、DV被害者支援には不可欠な存在であると、私もそう思っております。
しかし、一方で、DV被害者支援の中に正当に位置付けられていなかったり、活動の独自性を正当に評価されていないと、こういった声も一部から聞かれております。民間シェルターをDV被害者支援の重要な存在と位置付けて、公的機関との更なる連携強化への取組が必要と考えますけれども、この見解をお伺いしたいと思います。

○政府参考人(岡田恵子君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、配偶者からの暴力から被害者を保護するためには、民間シェルターなどとの連携が欠かせません。このため、本法案では、基本方針や都道府県計画におきまして、民間団体も含めた多機関連携を必要的記載事項とすることにより、また法定化する協議会におきましても、民間団体を含めた情報交換等が図れるようにしております。
今般の改正がなされれば、基本方針の改定や法定協議会の活用を含め、公的機関と民間シェルター等の民間団体が一層連携していけるよう、取り組んでまいります。

○塩田博昭君 どうぞよろしくお願いいたします。
そして、民間シェルターに対する財政支援の拡充についてお伺いをしたいと、このように思います。
多くの民間シェルターは、やはり財政面や人的基盤共に大変厳しい状況の中で運営をされている、こういう状況でございます。そこで、民間シェルターに対する財政支援の拡充がやはり急務であると、このように思いますけれども、例えば、地域女性活躍推進交付金であるとか、性犯罪・性暴力被害者支援のための交付金などを活用して、既に自治体においては支援している事例もございます。こういう予算がありますけれども、やはり予算規模が小さいために支援も薄いという実態も一方でございます。
そこで、事業予算を更に増額するなど、より工夫して民間シェルターなどへの支援を拡充できないかと、このように考えております。DV被害者の支援強化のためには、民間支援団体への財政的支援の枠組みということがやはりどうしても必要ではないか、このように考えますけれども、小倉大臣の見解をお伺いいたします。

○国務大臣(小倉將信君) DV被害者等の保護や相談、自立支援等を行う民間シェルター、これにつきましては、昨年の九月に、私もリモートで見学をさせてもらって、支援に携わっていらっしゃる方々と意見交換を行いました。民間シェルターの方々が被害者に寄り添ったきめ細やかな支援をしていることについて、実感を持って私も知ることができました。その一方で、塩田委員御指摘のとおり、民間シェルターは、財政面、人的基盤の不足といった課題を抱えているものと認識をしております。
委員御指摘の地域女性活躍推進交付金を活用して、DV被害者に限らず総合的な相談窓口業務に対する支援を行っている例もありますが、DV被害者等を支援をする民間シェルター等の活動を対象としたものとしては、こちらも塩田委員御指摘の性暴力・配偶者暴力被害者等支援交付金の配偶者暴力被害者等支援調査研究事業に係る交付金を内閣府から都道府県等に交付をさせていただいております。
こうした交付金を今後とも活用いたしまして、民間シェルター等と連携をして、DV被害者の支援に取り組む都道府県等の取組を後押しをし、地域におけるDV被害者の支援体制の充実に努めてまいりたいというふうに思っておりますし、やや予算が足りないのではないかという御指摘もいただきました。内閣府といたしましては、今後とも、民間シェルター等と連携をして、DV被害者支援に取り組む都道府県等の支援に必要な予算の確保に努めていきたいと思っております。

○塩田博昭君 次に、DV被害者へのやはり精神的支援の充実について改めてお伺いをしたいと思います。
DV被害者が、やはりうつ病であるとか心的外傷後ストレス障害、PTSDを発症するケースが起こっております。また、うつ病やPTSD以外にも、自殺傾向や不安障害、アルコールや薬物乱用などが認められるケースも一部にございます。こうしたDV被害者への精神的支援の体制をどう充実をしていくのかということは本当に大事なことでございますけれども、国の定める基本方針の中にこのような被害者の自立支援策がやはり明記されるのかについてお伺いしたいと思います。

○政府参考人(岡田恵子君) お答え申し上げます。
御指摘のとおり、精神的暴力は重大な人権侵害と考えておりまして、御指摘のように、被害者は繰り返される暴力の中でPTSD等の心身に重大な被害を受けることもあり、また、加害者からの追及の恐怖、経済的な問題、将来への不安等により精神的に不安定な状態にある場合もございます。
配偶者暴力防止法におきましては、被害者を支援するため、配偶者暴力相談支援センターにおいて、被害者の心身の健康を回復させるため、医学的又は心理学的な指導を行うこととなってございます。また、繰り返し家庭内で暴力を受けてきた被害者が心理的な安定を取り戻すためには回復のための一定の期間を経る必要があり、基本方針において、被害者が地域での生活を送りながら回復を図るためのカウンセリング等を受けられるよう必要な対応を取ることとしております。
さらに、昨年末に就業、住宅、子育てなど、支援現場の意見を反映させた八項目三十二件にわたる抜本強化策を取りまとめ、見直し等に関する各制度所管府省からの通知等に加えまして、三月三十一日に内閣府男女共同参画局から全体の概要を整理し、各地方公共団体の配偶者暴力対策所管部局に向けて一括して通知いたしました。その上で、更に必要な対応がないか、基本方針の見直しにおいて検討したいと考えております。

○塩田博昭君 ありがとうございます。
もう一方で、DVの再発防止についてお伺いをしたいと思います。
悲惨なDV被害の再発を繰り返さないためにも、やはりDV加害者に対する十分な更生プログラムの実施が重要であると、このように考えます。DV加害者が更生プログラムを受けないことによって新たなDV被害者を生まないためにも、具体的なプログラムの検討などについて、今後の体制の強化についてお伺いしておきたいと思います。

○政府参考人(岡田恵子君) お答え申し上げます。
配偶者暴力の被害者の中には、子の養育上の事情や経済的な事情により加害者と同居することを選択せざるを得ない方もおられますので、加害者への対応は被害者支援の一環として重要なことであると考えております。
加害者プログラムにつきましては、内閣府において令和二年度から四年度にかけまして試行実施を行ってきておりまして、それによって得られた知見に基づいて実施に当たっての留意事項を整理して、都道府県等にお示しすることとしております。
その上で、内閣府からお示しする留意事項も活用した各都道府県等での今後の実施状況を踏まえ、加害者プログラムの受講の在り方や全国での実施体制の在り方などについて検討を行い、全国的な実施に向けて取り組んでまいります。

○塩田博昭君 もう一問ございましたが、ちょっともう時間もございませんので、さらに、何というんでしょうか、ストーカーに絡むような、DV型のストーカーということも一部起こっております。そういうことを考えると、今後、更にDVに対してあらゆる方面についてきちっとした対応が必要であるということをお願いをしまして、質問とさせていただきます。
以上で終わります。ありがとうございました。