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北海道大学で下水取水後の検査方法などの説明を受ける(札幌市 2023年10月)
新たな感染症に備え
下水サーベイランス(疫学調査)全国展開へ
下水中のウイルスの有無を調べることによって、その地域の感染症の傾向を把握できる下水サーベイランス(疫学調査)を活用すれば「見えない感染」を「見える化」できます。新型コロナウイルスだけでなく30種類ほどのウイルスを検出することもできます。 新たな感染症に備えるためにも、この疫学調査を全国へ普及すべきだと訴え続けてきました。2024年9月段階で、厚生労働省の令和7年度予算の概算要求に8000万円が計上され、全国調査への道が開かれる予定です。 EUにおいては、欧州委員会が、新興感染症を監視するために、下水サーベイランスを全ての加盟国に対して2025年までに導入することを強く求めていますし、アメリカにおいては、疾病対策センター、CDCが主導して、人口の半分をカバーする千カ所以上の都市下水においてコロナウイルスの観測を実施をしています。 2024年4月8日の参議院決算委員会で武見厚労大臣に対して、ぜひ、大臣の決断で下水サーベイランス事業の更なる普及と全国展開を検討するなど、来年度の拡充について強く求めました。 厚労大臣は、「公衆衛生の観点から、この下水等を用いたサーベイランスというのは極めて有効であるというふうに考えております。今年度から新型コロナウイルスについても本事業の対象とし、現時点では12県において実施する予定でございますが、引き続き、実施自治体の拡大に向けて、未実施の自治体に更に働きかけをしていきたい」と答弁されました。 - トイレトレーラーへの給水状況を調査(輪島市 2024年2月)
【能登地震】 避難所トイレ問題は命に直結、
トイレトレーラーの活用と普及を後押し
災害発生時、トイレが不衛生であるために感染症蔓延の懸念だけでなく、排せつを我慢することが水分や食品摂取を控えることにつながり、エコノミークラス症候群等の健康被害を引き起こす場合があることから、避難所において衛生的なトイレを確保することは極めて重要な課題です。被災地におけるトイレ問題は命に直結するのです。 そこで、水洗の移動式トイレトレーラーを所有している自治体から避難所等に派遣できるように働きかけるとともに、長期設置に向けて安定した給水体制を確立できように、内閣府防災と国土交通省に働きかけて国土交通省の北陸地方整備局の給水車が避難所を巡回し、水を供給できる体制を実現しました。 さらに、トイレカーの導入は平時から進めることも重要であり、内閣府が作成した取組事例集で導入の好事例の周知を行うとともに、各自治体が行う指定避難所の生活環境改善のためのトイレカーの整備について緊急防災・減災事業債の対象とするなど、積極的な導入を促進しています。 -
【能登地震】 被災状況ごとの支援策を分かりやすいフローチャートに
2024年3月25日 参議院予算委員会
能登半島地震の被災者に対して、新たな交付金をはじめ自宅再建利子助成事業、被災者生活再建支援金、被災者救助法の災害救助法に基づく被災住宅の応急修理、さらに生活福祉資金貸付けの特例など、支援策は多岐にわたっており、全体的には非常に重層的にいろんな制度があります。 このことを、2024年3月25日 参議院予算委員会で取り上げ、格制度を、しっかり被災者に伝えて使っていただかなければ意味がないので、被災者が自分にはどう当てはまるのか、これは違うけどこれは申請できるんだなど、多岐にわたる重層的な支援策を被災者に分かりやすく伝えるため、被災状況ごとの支援策を示したフローチャート(流れ図)の作成が必要だと訴えました。 松村祥史防災担当相は、「分かりやすいフローチャートの作成に取り組み、4月の早い段階でお示ししたい」と答弁され実現しました。 -
【能登地震】 応急修理制度の活用後の公費解体も可能に
2024年04月02日 国交委
4月2日、国土交通委員会で質問に立ち、能登半島地震で深刻な液状化被害に見舞われた地域の復旧に向けて「宅地液状化防止事業」の対象地域や地方自治体の負担への支援、個人負担の確認など、具体的な制度や救済の仕組みが、実際に被災者に当てはまるのか、政府の見解を質しました。 特に、液状化対策の場合、住めるようになるまでに数年単位の時間がかかるため、液状化した宅地や町内で、一時的な応急措置として「住宅の応急修理制度」を活用した場合、その後「公費解体」ができなくなるのではという懸念について、環境省に質問したところ、一時的に住んだ後であっても、さらに液状化が進んだ場合などに「公費解体」が認められるとの答弁を導き出しました。 -
【能登地震】 インフルワクチン無料接種
2月1日から石川県の1.5次避難所で
65歳以上の希望者が対象
能登半島地震で被災者の避難所生活が長期化していることを受け、避難所の感染症対策を巡って、2024年1月24日の参院予算委員会で、被災者にインフルワクチンの予防接種を無料提供する機会を増やすよう訴えました。 これに対して、武見厚労大臣は、「インフルエンザなどの予防接種につきましては、隣接する市町村など被災地以外での接種や定められた接種時期を過ぎた場合の接種など、各自治体に対して柔軟な取扱いを行うように要請をしているところです」と答弁し、1月30日、閣議後の記者会見で、同県などと連携して準備を進めていると表明。 2月1日から、ホテルなどの宿泊施設に移るまでの「1.5次避難所」が開設されている「いしかわ総合スポーツセンター」(金沢市)でインフルエンザワクチンの無料接種が始まりました。 同県の資料によると、県内の定点医療機関から1月22日~28日の1週間に報告されたインフルエンザ感染者数は、1医療機関当たり前週比0.58人増の14.02人で、注意報の基準(10人)を上回っていました。 -
傷病手当金 7年越しの法改正が実現! 2022年1月から支給期間が通算化されました
同一の病気やケガによって、特にがんや心臓疾患など長期療養を必要とする方の「治療と仕事の両立」を経済的に支える仕組みである健康保険の「傷病手当金」の拡充に、議員になる前の党職員時代(政務調査会事務局長)から取り組んできました。 これは2014年に、がんの再発などによって収入が減少した方を支援する団体からの切実な相談を受けたことがきっかけでした。以来、傷病手当金に関する支給要件を見直すよう、政府への要請や参議院厚生労働委員会などで訴えた結果、2021年6月「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律」の改正が実現しました。 これにより、2022年1月から傷病手当金の支給期間が、支給開始日から通算して1年6カ月に達する日までが対象となりました。例えば、支給期間中に入退院を繰り返しても、退院期間や少し体調が回復している間などに就労して、傷病手当金が支給されない期間がある場合には、支給開始日から起算して1年6カ月を超えても、繰り越して支給可能になりました。 ※詳しくは下記 厚労省のサイトを参照してください https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22308.html -
がん情報提供体制の拡充を推進 確かな情報を分かりやすく持続可能な形で届けるために
がんと診断された方が、その治療法や病院に関する情報をどこで得るのかについて、2019年7月に内閣府が行った「がん対策に関する世論調査」では、第1位が病院の医師や看護師、病院と言ってもがん拠点病院以外の相談窓口です。第2位がツイッターなどのSNS、第3位が家族や友人・知人から、そしてやっと第4位に国立がん研究センターのサイト「がん情報サービス」という結果でした。 多くの人が、すがる思いで様々なところから情報を得ようと探すわけですが、なかなか正しい確かな情報にたどり着く前に、医学的根拠のない民間療法など間違った情報をつかんで信じてしまうという場合も多くあります。 この実態を重く受け止め、私は2020年11月19日の参議院厚生労働委員会、2021年3月11日の予算委員会など、機会あるごとに厚労大臣に対して、確かな、わかりやすい、役に立つがんの情報を提供するため、「国立がん研究センターのがん情報提供体制の拡充」を強く迫りました。 なかでも、11月19日の厚労委では、田村大臣(当時)は「正直言って(国立がん研が)インターネット等々の情報に負けておるというのは非常にショック」と言及した上で、「いろんな情報に惑わされてしまうところがあるので、やはりちゃんと正しい情報(発信)を、発信のあり方を検討し、しっかり支援する」と明言されました。 こうして、2021年7月に国立がん研究センターの「がん情報サービス」のサイトが全面リニューアルされました。 下記URLから参照してください。 ■国立がん研究センター 「がん情報サービス」が生まれ変わりました https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2021/0701/ ■がん情報サービス 確かながん情報を、持続可能な形で確実に届けるために! https://ganjoho.jp/public/ -
障がい者の交通系ICカード割引 全国的に手帳提示なしでスムーズに
障がいのある方が、鉄道やバスなどの公共交通機関を利用して交通系ICカードで割引を受ける「障がい者割引」について、2021年3月に地元の世田谷区議会議員を通じて、「障がい者や付添人が割引を受けるときに、いちいち障がい者手帳を提示しなければならない。簡略化できないか」との要望を受けました。 調べてみたら、例えばJR東日本の場合は、乗車する駅の改札ではICカード「Suika(スイカ)」をかざして入場し、降りる駅の改札では、そのままカードをかざすのではなくて、窓口に行って、障がい者手帳を提示し、ICカードから、「割引額で決済される」仕組みでした。 一方、関西の鉄道・バス事業者でつくる「スルッとKANSAI協議会」は、身体障がい者と、知的障がい者、そして、その介護者を対象に「前払い式専用ICカード」による「割引サービス」が導入されていて、障がい者手帳の記載情報を事前登録することで、乗車時の手帳提示を省略。通常の交通系ICカードと同様、駅の改札やバスの車載器にかざすと、5割引の運賃が適用されていました。 国土交通省においては、2020年6月23日に総合政策局が「障害者割引運賃の本人確認について」という通達で、交通ICカード利用の度に、手帳の提示を求めないという、手続きの簡素化を呼び掛けていますが、この段階では日本の東西でこのような差異があったのです。 そこで、2021年4月26日、参議院決算委員で赤羽国交大臣(当時)に対して、「スルッとKANSAIのような事例を一刻も早く、全国展開すべき」と強く訴えました。 赤羽大臣は、「障がい者の皆さま用のICカードの導入は、スルッとKANSAIほか4地域で導入されている。バリアフリー政策については、実際やっている事業者がある場合は全国一斉に全部やるべきだと。スルッとKANSAIができてSuicaとかPASMOができないという理由は私は全く理解できない」と断言し、推進を後押しされました。 -
床上浸水の被害状況を板井区議と視察(世田谷区玉堤 2019年10月)
台風19号 多摩川越水、内水被害 区・都・国が連携して復旧と治水対策の加速化を推進
2019年10月13日、全国各地に甚大な被害を及ぼした台風19号は、世田谷区内においても、多摩川本川の水位上昇に伴い、内水氾濫等の大きな水害をもたらしました。 14日の早朝から、越水被害に遭った二子玉川の無堤防地域や内水被害で広範囲が床上浸水した玉堤地域などを、地元区議会議員とともに、被災された住民の方々を励まし、要望を聞きながら、被害状況など調査しました。 その上で、早期復旧とともに、浸水被害に遭った住民の生活再建を全力で支援する対策を区議会、都議会、そして国会と連携を取りながら進めてきました。 2020年2月27日、台風19号の多摩川氾濫の被害を受けた川崎市と世田谷区、大田区の3首長とともに、私が紹介議員として赤羽国交大臣(当時)に対して多摩川の治水対策の早期実施を求める要望を行いました。 特に、世田谷区においては、二子玉川の堤防未整備区間の堤防強化と早期整備を強く求めました。 この要望と前後して1月31日には、国交省や東京都、神奈川県など関係機関が連携し、「多摩川緊急治水対策プロジェクト」(https://www.city.komae.tokyo.jp/index.cfm/50,105353,c,html/105353/20200406-162906.pdf)が取りまとめられて、 早急な復旧だけでなく、流域の自治体が連携した治水対策、今後の減災に向けたさらなる取り組みなどが、着実に進められています。 中でも、多摩川の無堤防地域については、世田谷区二子玉川地区で堤防工事進行中(令和6年度中完成予定)、川崎市幸区の戸手(とで)地区は、関係住民の合意を得て高規格堤防事業が進行中(2022年2月現在)、立川市錦町地区についても、日野橋の架け替え工事後に堤防が整備される計画が明らかになりました。 -
多摩川の治水対策で小河内ダムを視察(2020年9月)
「治水協定」の放水量に科学的根拠を 台風など大雨に備えた利水ダムの放水のあり方を見直し
下流域の水害を防ぐために、既存の「利水ダム」の有効貯水容量を、豪雨などの発生前に一定量を“事前放流”して調節する「治水協定」について、現場の声をもとに放水のあり方を見直すことを促しました。 きっかけは、党東京都本部の「多摩川流域 治水対策プロジェクトチーム」で東京都が管轄する「小河内ダム」を視察した際に、ダムの所長から次のような話を伺いました。この治水協定には、「事前放流のガイドライン」はあるものの、実際に、台風などの豪雨時に「科学的に裏付けされた、具体的な放水量が不明確だ」との指摘でした。 例えば、あらかじめ事前放流してダムでせき止められる容量を増やしておいても、予想以上の豪雨によって、再び有効貯水量を超える可能性のある場合、いったいどれぐらい放水すれば良いのか分からない、と言うのです。 2019年の台風19号の時も「小河内ダムの限界貯水量」を超えそうになり、直前に経験値からの放水量を推計して流したとのことでした。 そこで2021年4月26日、参議院の決算委員会で赤羽国交大臣(当時)に対して「全国の一級河川の利水ダムごとに、科学的根拠に基づく放水量を定めておくべきだ」と強調した上で、ダムの流域自治体と連携しながら、実際に利水ダムから、どれだけ放水すれば、流域の水位が、何メートル上昇するのかなど、実証実験を重ねた上で、いざという時の放水量の目安を決めておくよう提案しました。 これに対して赤羽大臣は「放流量と下流の河川の水位等の基礎データの関係性を科学的に把握しなければ適切な洪水調節というのはできない、大規模降雨時のダムの放流量、そして水位等の実際の基礎データを集約しながら分析を重ねている」と説明した上で、「全国の流域治水の第二段階として、雨の降り方の増加によってどれだけのリスクが高まるか、それに対応する事前放流がどうあるべきかということをしっかりと丁寧に実施する」と答弁されました。 -
ドクターヘリ70機体制の必要性を訴えた参院予算委員会(2021年3月)
医師15分で駆け付けへ ドクターヘリ全国70機体制を目指せ 羽田空港内の救急医療体制の整備も
「救えるはずの命を救う」──救急医療の抜本的な体制強化は最重要課題です。 そのためには、救急医療の抜本的な体制強化が必要です。全ての国民が119番通報から15分以内に医療が受けられる“医療先進国”をめざすべきと考えています。 その一つがドクターヘリの普及です。 医師と看護師が50キロ離れた救急現場まで、わずか15分で到着し、医療を開始することができるドクターヘリ。一刻を争う現場の悲痛な声を受け、14年前に公明党が他党に先駆けてドクターヘリ普及のための法律制定を主導し、全国各県で配備が進みました。 2021年3月19日の参議院予算委員会では、ドクターヘリについて、全国で53機が導入されているものの、医師が15分で駆け付けられる半径50キロメートル圏内で、基地病院を中心に円を描くと、北海道や東北などで“空白地域”が生じることを指摘。空白地域の解消に向けて、ドクターヘリの70機体制の必要性を訴えるとともに、都道府県間で広域連携が進むよう国の後押しを求めました。田村厚労相(当時)は、予算確保に努め、連携を後押しする考えを示されました。 また、同年7月8日の参議院厚労委員会では、羽田空港内で急病人や事故が発生した場合の救急医療体制の盲点を指摘するとともに、緊急時には、東京都で運用が始まるドクターヘリ(2021年度中)や千葉や埼玉県からも同空港内にドクターヘリが離発着可能であることを確認しました。 -
収穫後のコメが浸水被害にあった農家を視察(栃木県佐野市 2019年10月)
台風19号によって泥水に浸かったコメを
2019年10月27日、台風19号で甚大な浸水被害を受けた栃木県の佐野市と足利市の農家の被害状況を見て回り、現場の声を聴きました。災害時に活用できる農業共済や収入保険など制度はあっても対応が遅かったり、救済できる制度が当てはまらないような被害など、さらに支援を強化すべきと実感しました。 国会議員となって初めての質問に臨んだ11月7日、参議院農林水産委員会で質問に立ち、これら現場の声を政府にぶつけました。 特に、収穫後に倉庫などで保管していたコメが泥水に浸かり出荷できなかった農家に対しては、営農を再開するために「何らかの支援策が必要だ」と強調。コメの補償とともに、土づくりや土壌診断、種苗など資材の準備などの支援を強く訴えました。 江藤農水大臣(当時)からは、「御期待に応えるようにしたい。もう既に自分の判断で(コメを)廃棄してしまったという場合も、私は確認可能(補償の対象として)だと思います」との前向きな答弁を得ることができました。 その後まとまった「対策パッケージ」で、収穫後に保管庫などで浸水被害を受けたコメに対しても、10アール当たり7万円を助成することが発表されました。
10アールあたり7万円助成で農家を支援