公明党 参議院議員/全国比例区 塩田ひろあき

活動報告

内閣感染症危機管理統括庁の役割など質す/内閣委

2023年04月18日

第211回国会 参議院 内閣委員会 令和5年4月18日

○塩田博昭君 公明党の塩田博昭でございます。
ちょっと今日は視点を少し冒頭変えまして、質問をさせていただきたいと思います。
スーパーコンピューター「富岳」を用いた新型コロナウイルスの感染リスク評価と感染拡大の抑止対策について、まず冒頭お伺いしたいと思います。
新型コロナウイルス感染の初期段階の二〇二〇年の四月に、文部科学省と理化学研究所は、当時まだ開発中であったスーパーコンピューター「富岳」を、国難とも言える新型コロナ対策に貢献するために、可能な限りその計算処理能力を感染拡大の抑止対策に活用するということを決めたということでございました。
こうして、二〇二一年の十月十三日に、ニュース映像などでも大変有名になった、間仕切り、パーテーションを設置したオフィス内での飛沫とかエアロゾル、微粒子が飛び散る様子を予測して見える化をしました。また、感染リスクの評価と感染拡大抑止対策の研究結果が発表をされました。

これによって、コロナの飛沫感染について科学的な裏付けのある正しい理解と対策の重要性が啓発をされまして、会話の際の人と人との距離とか、マスク着用の効果、オフィスや飲食店などのパーテーション設置の効果などなど、日本のみならず、世界の人々の行動に変化をもたらすことにもつながりまして、二〇二一年の十一月十九日に、この研究結果は、スパコン界の最高権威となるゴードン・ベル賞、COVID―19研究特別賞というのにも選ばれました。
そこでお伺いしたいのは、この飛沫シミュレーション以外のスーパーコンピューター「富岳」の活用例についてでございます。
コロナ禍において、「富岳」の高度な計算処理能力を活用した他の感染拡大抑止対策や治療薬の開発などにおける事例や、それらに、それら研究に「富岳」が果たした効果と実績についてもお答えいただきたいと、このように思います。

○政府参考人(奥野真君) ただいま委員から御紹介いただきましたスーパーコンピューター「富岳」を活用した新型コロナウイルス研究及び対策につきまして、飛沫拡散シミュレーションのほかの具体的事例についてでございますが、大学や研究機関に所属いたします研究者におきまして、例えば、数多くの既に知られている既知の化学物質の新型コロナウイルスとの結合力を短期間でシミュレーションするための試みでございますとか、あと、ウイルスの表面に突起状になっている部分のスパイクたんぱく質のこの立体構造というのが動的に、時間的にどのように変化していくのかという過程を短期間で詳細に再現して可視化するための手法の開発、こういった取組が実施されてきたと承知しております。
文部科学省といたしましては、引き続き、「富岳」を活用いたしまして、感染症拡大防止を含みます社会課題の解決につながる成果が生み出されるよう、政府、大学、研究機関などによる利活用を促進してまいりたいと考えております。
以上です。

○塩田博昭君 続いて、これらの今研究から得られた経験を生かして、今後の感染症予防対策においてスパコンを始めとする新しい技術をどのように活用する方針が検討されているのか、また、新設される内閣感染症危機管理統括庁がやはり司令塔となって新たな感染症の対策などにスパコンの活用を決めていくことになるのか、確認をしておきたいと思います。

○政府参考人(實國慎一君) お答えいたします。
今回のコロナ禍においては、例えばスーパーコンピューター「富岳」を活用して飲食店やイベント会場における飛沫シミュレーションを行うなど、新しい技術を活用して感染症予防対策の効果の検証を行い、感染拡大防止に貢献してきたと考えております。
次の感染症危機に備えて、こうした知見を整理し、有事に迅速に活用できる環境を整備することが重要と認識しております。そのため、内閣感染症危機管理統括庁では、平時から厚生労働省を始めとする関係省庁、研究機関等と連携して、これまでの知見や新しい技術の動向等について情報収集し、今後の感染症対策における活用について検討してまいりたいと考えております。
また、次の感染症危機時におけるスーパーコンピューターの活用については、その時点の感染状況や社会的課題を踏まえながら、文部科学省を始めとする関係省庁と連携し、検討してまいりたいと考えております。

○塩田博昭君 次に、中央省庁の官僚、特に厚生労働省の官僚、職員の働き方改革と、今回新設される内閣感染症危機管理統括庁の職員の働き方の方針についてお伺いをしたいと思います。
まず、新型コロナウイルス対策で大変多忙を極めた厚生労働省の中で中堅、若手官僚の退職が後を絶たず、昨年十一月には総合職で中途採用を実施すると、このような発表もございました。
事実、厚労省の内部アンケートを見ますと、毎日いつ辞めようかと考えている、残業することが美学という認識があるなど、その過酷な就労ぶりがうかがえる一方で、若手職員のアンケートの中には、やりがいのある職場であると、仕事に誇りを持てるなどの回答が多くを占めております。
新型コロナ感染症が五類に移行する、そして新たな統括庁が設置されるこのタイミングで思い切った働き方改革を断行すべきであると、このように思います。

すぐに実施可能と思われる改革に人事異動があるんだと、このように思いますけれども、特に、適材適所と定期異動のサイクルの見直しであります。省庁によっては、短いサイクルで分野も違う部署の定期異動を繰り返してスキルアップを図らせるという発想も当然あるようでございますけれども、厚労省においては、国民の生活や生命に関わる高度な専門性が求められる業務が多くございます。特にこの三年間のコロナ対策の経験や今後の感染症対策においてはまさに専門性が重要で、抜てき人事制度なども検討した適材適所を最優先して再編すべきだと、このように思います。
そこで、定期異動のサイクルの見直しですけれども、専門性が強く求められる部署であればあるほど、特に今後の感染症対策をつかさどる部署においては、ある程度の一定期間はほかに異動しないようなルールも柔軟に検討すべきではないかと、このように思うんですね。一つの施策が調査分析から企画立案、そして制度の改正、施行、運用に至るまで、一般的にやはり三年は掛かると思うんですね。ですから、専門性を強く求められる部署の官僚は例えば三年異動にするというようなことなどを提案をしたいと、このように思います。
厚労省の働き方改革と統括庁との人事交流を含めて、厚労副大臣の見解をお伺いしたいと思います。

○副大臣(伊佐進一君) 今回の新型コロナ対策におきまして、過去の新型インフルエンザ対策の経験を踏まえまして、その対策に当たった人材をリスト化をしておりまして、そうした方々を生かしてきたところであります。今回、新型コロナ対応に当たっていただいた職員、こうした皆さんの経験や専門性を生かしまして、また次の感染症危機に即時に対応できる体制の構築に努めていきたいというふうに思っております。
厚労省内の働き方改革につきましては、令和元年に、厚生労働省改革実行チーム、これ若手を中心に立ち上げさせていただきまして、若手の意見を入れながら様々な取組を進めてまいりました。例えば、職員に対するキャリア支援、提案型の研修、こういう研修を受けたいですという提案をいただいて、そこで研修を組んでいくでありますとか、あるいは超過勤務、超過勤務削減のための労働時間のマネジメント強化、こうしたものを一つ一つ進めてまいりました。
厚労省と内閣感染症危機管理統括庁との人事交流につきましては、これも委員の御指摘を踏まえまして、今後その具体的な在り方について検討していきたいというふうに思っております。

最後に、人事異動サイクルを三年にするという提案でございますが、これ、長期在任での、することによるモチベーションの低下でありますとか、またモラルハザードの弊害と、こういったところも十分に配慮しながら、委員の御指摘のその専門性が強く求められるという部署については、この施策の安定的な実施、また長期的な課題への対応というメリットも期待できますので、これは以前、厚労省は、実は人事課長通知で各部局に対しても、三年異動の運用がふさわしいポストを検討して現状よりも拡大するよう努められたいというふうに、内部でもこういう取組も行っておりますので、こうした取組を引き続き行ってまいりたいというふうに思っております。

○塩田博昭君 ありがとうございます。
今、厚労副大臣から大変大事な御答弁いただきましたので、今後に大いに役立てていただきたいと、このように思います。
そして、次に、統括庁の職員の働き方の方針についてお伺いをしたいと思います。
先日の委員会で、私から、統括庁の職員構成について、医学的知見を持つ者だけではなく、幅広い分野の専門性を有する人材の配置が必要であると、このようにお訴えさせていただきましたけれども、本日は、統括庁職員の人事交流を含めた働き方と具体的な人数にも触れたいと、このように思います。
各省庁に対して感染症対策の司令塔となる統括庁でありますけれども、厚労省の医務技監が感染症危機管理対策官に充てられるように厚労省との緊密な連携が最も求められるのだと、このように思います。
統括庁が司令塔機能を果たす上で、いつ起こるか分からない危機に備えて万全の体制を築いておく必要があります。二年程度で定期的に替わっていく人事異動では、突然パンデミックになるなどの緊急時も想定をして、在任期間が終わった後でも専門性を持った職員が一定期間は統括庁をバックアップできる機能を持たせておく必要があるのではないか、このようにも考えるところでございます。先ほど厚労省の働き方改革で触れた定期異動のサイクルの見直しも検討すべきかもしれません。これは、後藤大臣の見解をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(後藤茂之君) 昨年六月の有識者会議の報告書においても、総合的、一体的に企画立案をしていくために、実践的な訓練も含めて、きちんと機能しているか政府全体の立場からチェック、改善し、メンテナンスする、そうしたことの重要性が言われておりまして、平時からの研修や実践的な訓練も含めた感染症危機管理に関する人材育成は非常に重要だと認識しております。
統括庁においては、このような観点から、感染症に関する知識や対応方策等について、有事の際の招集職員を含め、職員の役職等に応じた研修や訓練を行うこととしているほか、外部からの登用も含めて、長期的なキャリア形成の視点も踏まえながら人材育成を進めていきたいというふうに考えております。
今後、今様々な御指摘の点もいただいたので、それも参考にさせていただきつつ、統括庁において専門性を持った職員を継続的に確保できるよう具体的な運用を検討してまいりたいと思います。

○塩田博昭君 続いて、様々な専門性を備えた統括庁の専従職員の数でありますけれども、平時は三十八人ということで、やはり余りにも少ないのではないかと、このようにも思う次第であります。有事は百一人で、各省庁から迅速に増員するとのことでありますけれども、この陣容で本当に十分なのかと、このように考えます。三十八人、百一人という妙に現実味のある数値も大変気になるところなんですけれども、これは何か明確な根拠があって決められているのかお伺いしたいと思います。
そしてさらに、各省庁の幹部職員を三百人規模で統括庁に併任するということでありますけれども、これはどのタイミングからなのか、そして、司令塔組織として、今後、平時から専従する人員を増やすことは考えていないのかということを改めてお聞きしたいと思います。
後藤大臣、新たな省庁の船出は、やはり人事の慣習を変える好機であり、官僚の働き方改革に取り組むチャンスであると、このように思います。見解をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(後藤茂之君) 内閣感染症危機管理統括庁については、平時、有事にそれぞれについて司令塔機能がしっかりと発揮されるように、平時には、政府行動計画の策定、推進、実践的な訓練の実施、各省庁と準備状況のチェック、改善といった有事への備えに係る業務に必要な定員として三十八人、また、有事には、政府対策本部の下で各省庁との対応を強力に総括、統括し、政府全体を俯瞰して総合的な感染症危機対応を行うために定員百一人の専従職員で対応することとしておりまして、御指摘のとおりです。
これらの定員については、実施するそれぞれの平時、有事の業務を具体的に想定して、それを実施するための適切な体制をこれは積み上げて必要数を算出したところでございます。具体的には、平時については、計画や訓練等の内容を充実させる、それが有事に機能するように点検、改善を行う、そうした、現在、平時の体制として、おおむね現在の倍程度の三十八人という体制でやれると。妙に具体的という意味は、きっちりと具体的に積算をしたということでございます。また、有事については、現在の体制の組織を再編成しつつ、初動対応における水際対策に必要な機能を強化したことなどによりまして、定員百一人の専従職員で対応いたすこととしています。
御指摘の有事というのはいつかということからいえば、これは政府対策本部の設置時ということになりまして、この設置時になれば、各省庁においてあらかじめリスト化している、そうした幹部職員二百人程度を統括庁の業務に参画させるということを想定をいたしております。
また、こうした準備を着実に進めるためにも、今後統括庁が感染症危機において迅速、的確に司令塔機能を発揮できるように、必要な体制についてはしっかりと確保に努めてまいる所存です。

○塩田博昭君 大臣、丁寧な御答弁、大変にありがとうございました。
次に、五類移行後のワクチン接種体制についてお伺いしたいと思います。
厚生労働省は、今月五日、直近一週間の新型コロナウイルスの新規感染者数が全国で前週比一・〇三倍となり、二か月半ぶりに増加に転じたことを専門家組織、アドバイザリーボードの会合で示しました。また、会合では、東京都の新規感染者数が大型連休を経て五月上旬から中旬にかけてピークを迎える可能性があることの試算も示されたところでございます。そこで、五類移行後の検査と医療とワクチン接種体制などについて確認をしておきたいと、このように思います。
まず、予防対策の柱となる今後のワクチン接種についてお伺いしますけれども、政府は、二〇二三年度については全世代を対象に原則年一回の接種を行うことにしております。また、高齢者や基礎疾患のある人、医療・介護従事者らを対象にオミクロン株対応の二価ワクチンを五月から先行接種を始める方針とのことでありますけれども、この接種は具体的にどのような方法と体制で進められるのか。これまでと同様に、自治体から接種券が届いて接種場所の予約をして接種に臨むのでしょうか。そして、接種場所は指定医療機関に限られるのか、それともインフルエンザのワクチンと同様に身近なクリニックなどで二価対応のコロナワクチンを接種できるようになるのか。
さらに、九月からは、年末年始に想定される感染拡大に備えて、五歳以上の全ての人を対象に接種を行う方針とのことでありますけれども、やはり対象となる人全てに接種券を送付するということになるのでしょうか。さらに、公費負担はどこまでなのかなど含めて、具体的に分かりやすくお答えいただきたいと、このように思います。よろしくお願いします。

○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。
本年度のワクチン接種につきましては、現行の特例臨時接種の実施期間を来年の三月末まで一年間延長した上で、先生御紹介いただきましたように、高齢者など重症化リスクが高い方等につきましては春夏と秋冬の合計二回の接種を行うこと、また、秋冬には追加接種の対象となる全ての方に接種を実施することとしておりまして、こうした接種は、これまでと同様、引き続き自己負担なく受けられるようにすることとしております。
その上で、お尋ねがありました具体の接種の運用でございますが、これまでとこれもほぼ同様でございますが、各自治体においては、自治体の接種記録ですとか、対象者の、例えば基礎疾患のある方は申請して接種券を取っている自治体もございます。こういったこれまでの運用に基づき発行された接種券のほか、また、自治体におかれては、過去に配送されている未使用の接種券、これを使えるようにしているところもございます。また、そういった接種券を基にして、接種対象者御自身や御家族等が自治体が御案内される予約の方法に従って予約をしていただいた上で接種いただくと、こういった基本的な流れになっているものと認識をしております。
また、接種場所でございますが、これも各自治体から住民の方へ御案内がされているものでありまして、身近な医療機関等で個別の接種、クリニックでの接種、こういったものでありましたり、また、特設会場と言われる集団接種会場、こういったものを自治体で御用意されているなど、地域の実情に応じた接種体制が組まれているというふうに承知をしております。
引き続き、厚生労働省といたしましては、自治体とよく連携を取りながら、接種を希望する対象者の方が迅速かつ円滑にできるように、体制整備を支援してまいりたいと考えております。

○塩田博昭君 ありがとうございます。
極力国民に分かりやすく提示はしていただきたいと、このように思います。
そして、新型コロナウイルスの感染が疑われる人が五類移行後にはどういう行動を取るべきなのかについてですけれども、一つは相談、そして二つ目に検査、三つ目に医療機関の受診、そして四つ目に療養の仕方と、こういう流れについて伺いたいと思いますけれども。
まず相談ですが、これまでは、発熱などの症状が出て感染が疑われるときは、まず電話でかかりつけ医や各都道府県が設置している健康フォローアップセンターなどに相談する、これが基本であったと、このように思います。今、衆院でかかりつけ医の定義などが議論されている中でありますけれども、五類移行後もまずかかりつけ医に相談をというのは変わらないのかということが一つでございます。また、各地の相談センターはいつまで存続される予定なのか。
そして二つ目に、次は検査でありますけれども、これまではコロナかなという段階で市販の検査キットとか、自治体から送付された抗原検査キットを使って自己検査をするかPCR検査を医療機関で受けるかでありましたけれども、五類移行後はどのような検査の受け方を推奨するのかということ。
そして三つ目に、その上で、次、医療機関の受診ですけれども、五類移行後はコロナは特定の医療機関だけで対応する疾患ではなくなるわけでありますけれども、医師は正当な事由がなければ、診療拒否を、拒んではならないとの医師法の第十九条どおり、五月八日以降、身近なクリニックなどのどの医療機関でも本当にコロナ感染疑いの患者を受診してもらえるのかということが三つ目でございまして、四つ目に、加えて、その後の療養の仕方であります。
現在は発症翌日から七日経過するまでが療養期間でありますけれども、五類移行後は療養期間の法的根拠がなくなり、外出自粛は個人の判断に委ねられています。報道では、厚労省の方針として、インフルエンザと同様に五日間を目安にする等が報じられております。
今、相談、検査、医療機関の受診、そして療養の仕方という流れに沿って疑問点をちょっと示しましたけれども、五類移行後にコロナ感染の疑いのある人が取るべき基本的な行動フローを場面ごとに教えていただきたいと、このように思います。よろしくお願いします。

○副大臣(伊佐進一君) 今流れに沿って質問いただきましたので、それぞれについて答弁させていただきたいというふうに思います。
まず、相談先についてでございますが、必要な場合にはかかりつけ医などに相談することが可能で、これからも可能でございます。それに加えて、自治体の相談窓口機能も当面継続するというふうにしておりますので、今までと変わらずに各都道府県に設置された相談窓口に連絡、相談が可能というふうになっております。
次に受診でございますが、今後、幅広い医療機関による自律的な通常の体制に移行していくということになります。位置付けの変更後、五類への変更後でも、原則として季節性インフルエンザと同様に身近な医療機関を受診できる体制を構築することを目指していきたいというふうに思っております。
また、検査についてでございますが、これも、これは位置付け変更後も引き続き、症状があって医療機関の受診を希望する方が受診時に医師の判断によって検査を受けるということが基本になります。
療養の仕方であります。自宅療養は求められなくなると。外出を控えるかどうかは、これは季節性インフルエンザと同様になりますが、個人の判断に委ねられるということになります。ただ、政府としては、この個人や事業者の判断に役立つような情報提供を行っていきたいというふうに思っております。具体的には、先ほども委員の方から紹介していただきましたとおり、これまで発症後七日間と外出自粛を要請しておりましたが、この位置付け変更後は、発症後五日を経過するまで外出を控えていただくこと、また症状軽快から二十四時間経過するまでの間は外出を控えていただくこと、そしてまた、これまでどおりでありますが、発症日から十日間が経過するまではマスク着用やハイリスク者との接触は控えていただくことを推奨するというふうな情報提供を今させていただいております。

○塩田博昭君 ありがとうございます。
今副大臣が言われたことが、この情報が本当に国民に分かりやすく伝わることがとても重要だと、このように思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
そして、厚労省のサイトを始め各自治体のサイトでも、五類移行後のコロナ感染対策については今までとこれからの違いを明確にして、全体の内容が分かるようなフローチャートのようにやはり示すべきだと、このように思います。是非御検討をいただきたいと思います。厚労副大臣、何かございますでしょうか。

○副大臣(伊佐進一君) 委員御指摘のとおり、しっかりと分かりやすい広報、重要だというふうに思っておりまして、ホームページ、またリーフレット、SNSなども活用しまして、その変更点を明確にさせていただいて、国民の皆様へ分かりやすい情報発信に努めてまいりたいと。
今、ホームページを見ていただくと、確かに現状の情報にありますので、五月雨式に様々なものが書かれております。これは五月八日以降、しっかり見やすい形に一気に変えていきたいというふうに思っております。

○塩田博昭君 ありがとうございます。
では、最後の質問になるかと思います。
午前中にも下水サーベイランスのことについて引用させていただきました。ちょっと時間がございませんので、一問飛ばさせていただきます。
この問題についてはもう何度もしつこくこだわって質問もさせていただいておりますけれども、今回の実証事業から得られたデータを関係省庁や事業に参加した各自治体で共有して、そのメリット、デメリットを検証して、今後、下水サーベイランスをどのように活用すべきかをどうしてもやはり見極める必要があると、このように考えているからなんですね。
発表の時期はさることながら、今回の実証事業から得られた知見や各データはきちんと公開されるのかという点と、参加した自治体が引き続き下水サーベイランスによるコロナウイルスの感染状況を調査し続けたいとの希望がある場合、若しくは他の自治体が新たに下水サーベイランス事業を行いたいなどの要望が出た場合、政府なかんずく統括庁においてどのような対応になるのか、検討状況について後藤大臣の見解をお伺いいたします。

○国務大臣(後藤茂之君) 次の感染症危機に備えて新型コロナで培った知見や技術を活用することは重要であると考えておりまして、今回の下水サーベイランス実証事業から得られたデータや分析結果については公開する方向で検討しています。また、今後の下水サーベイランスについては、今回の実証事業の結果や自治体のニーズを踏まえつつ、関係省庁と連携して検討してまいりたいと思います。
さらに、今後の感染症危機については、感染症危機における司令塔機能を一元的に担う内閣感染症危機管理統括庁において、それまでの取組を踏まえ、国立健康危機管理研究機構や関係省庁と連携して、どのように下水サーベイランスを活用できるのか検討してまいります。

○塩田博昭君 以上で終わります。ありがとうございました。