公明党 参議院議員/全国比例区 塩田ひろあき

活動報告

持続可能な建設業の実現に向け関連法の一部改正案で質問/国土交通委員会

2024年06月06日

6月6日、「建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案」の審議で質問しました。

建設業は地域の守り手として不可欠な一方で、他産業より賃金が低いなど担い手確保が喫緊の課題になっています。持続可能で若者にとっても魅力ある職種へと転換するため、法改正によって①労働者の処遇改善②資材高騰に伴う労務費へのしわ寄せ防止③働き方改革と生産性向上--などの実効性が担保されるように要請しました。

また、建設現場の交通誘導警備員の標準労務費について、中央建設業審議会で作成・勧告することで適正な労務費にすることなどにも触れました。

<質問と答弁>
○塩田博昭君 公明党の塩田博昭でございます。

先ほどから議論がございますように、建設業というのはまさに、今も多くの自然災害がございますように、かなり各地域で起こっている災害についても激甚化、頻発化しております。そういう意味において、我が国においては最前線で復旧に当たる地域の守り手ということで、十分にその役割を果たしていただかなければならないところでございます。

今回、能登半島地震においても、被災地域で建設業者による道路の復旧を始め、河川堤防被害への応急対応などでもかなり尽力をしていただいておりますし、今後、本格復旧に向けてしっかりまた頑張っていただかなければならないというところで大きく期待をしているところでございます。

そこで、本日の議題でございます建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案について質問をさせていただきたいと思います。

建設業を持続可能なものとすることは喫緊の課題でございますけれども、我が党も、国土交通部会におきまして、本年二月八日には持続可能な建設業の実現に向けた提言ということで行わせていただいたところでございまして、この法案にも一部反映をさせていただいているところでございます。

まず、建設業における処遇改善についてお伺いをしたいと思いますけれども、建設業は、他産業より賃金が低く就労時間も長いために、担い手の確保が困難ということは皆さんよく知られているところでございますけれども、本法案では、建設業者の責務として労働者の処遇確保を建設業者に努力義務化しておりますけれども、国は建設業者の取組状況を調査、公表し、中央建設業審議会に報告するとありますけれども、このPDCAサイクルを回すことによって、一つは、どのように処遇改善がなされるようになるのか、具体的に御説明いただきたいというふうに思います。

そしてまた、労務費の確保について、中央建設業審議会が、労務費の基準、いわゆる標準労務費を作成、勧告をし、著しく低い労務費による見積りの提出や見積り変更依頼を禁止するということでありますけれども、民間発注者や注文者や受注者となる建設業者に対して、罰則を含めてどのように労務費確保の実効性を高めていくのかについても伺いたいと思います。

○政府参考人(塩見英之君) お答え申し上げます。

まず、PDCAサイクルの件でございますけれども、持続可能な建設業を実現してまいりますためには、建設業者御自身が、担い手確保の必須条件であります処遇確保、これに努めていただくということがまず大事でございます。その上で、今回の法案で創設いたします労務費の確保と行き渡りのルールを、新しいルールを使いこなしていただいて、処遇の確保を実現していただきたいというふうに思います。

しかしながら、今後の運用次第では制度が円滑に運用されない可能性もございます。また、技能者の処遇改善につながっていないということも起き得るところでございます。何らかの原因があろうかと思います。

国が、実態調査などを通じまして、個別の指導で対応すべきこと、制度の根本に立ち返って対処すべきこと、こういうことをしっかりと整理をして、制度的に対応すべきものにつきましては、中央建設業審議会の中で新たな制度の在り方を議論をし、施策のスパイラルアップをすることで、処遇確保、処遇の改善を図ってまいりたいというふうに思います。
二つ目の労務費の確保を図るための実効性ということでございますけれども、新しいルールを今回設けます。これに違反した場合、直接的な罰則の規定というものは設けてはおりませんけれども、ルール違反に対しましては、建設業者である場合には指導監督が行われます。また、民間発注者が建設業者でない場合には勧告や公表の措置の対象となるわけでございます。

具体的には、建設Gメンが実地調査を行って必要な改善指導を行い、その中で改善されないような悪質な事案について、法律に基づく報告徴収や監督処分、発注者については勧告、公表の措置を行っていくということを考えております。

○塩田博昭君 今、塩見局長から言っていただいたように、やはり実効性をしっかり高めていくということが非常にやっぱり大事だというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

そして、次に、一定以上の規模の建設工事現場においては必須の役割を担っております交通誘導警備員の標準労務費についてお伺いしたいと思います。

交通誘導警備員の労務単価の実績は低水準で推移をしております。その背景には、警備業における労災死亡等の発生数が多いにもかかわらず、リスクに応じた配置基準や労務単価の設定となっていないことがあると、このように思いますし、また、一括発注される場合に、元請側である工事会社等の元請企業の立場が極めて強いために、雇用に伴う経費として事業主が負担する安全管理費等が契約金額に含まれていないなどの声を聞いております。

例えば、公共工事設計労務単価に安全管理費等を含むなど、警備会社に対してしっかりとこの管理費等が支払われるよう取り組み、取り組むべきだと考えますけれども、この点についていかがでしょうか。そしてまた、本法案の衆議院における審議の中で、この標準労務費は、地域や職種の違いを考慮して中央建設業審議会において議論されることが答弁をされておりますが、国交省が毎年公表している公共工事設計労務単価において、主要十二職種に含まれている交通誘導警備員A、Bも議論の該当職種として含まれるのか、そしてまた、公共工事ではなく民間の工事現場の交通誘導警備員についても今後は中央建設業審議会において標準労務費が作成、勧告されるようになるのか、塩見局長にお伺いしたいと思います。

○政府参考人(塩見英之君) お答え申し上げます。

まず、公共工事設計労務単価でございますが、これ、労働者本人が受け取る一日八時間労働に相当する賃金を基に設定をしております。御指摘の安全管理費を始めとした賃金以外の必要経費、これはもちろん必要でございますけれども、これは設計労務単価には含まれておりません。

例えば、元請業者が警備会社と契約をする際には、こういった必要経費分が適切に考慮される必要がございます。このために、公共工事の設計労務単価を公表するタイミングで安全管理費などの必要経費を加算した金額についても参考的に公表しております。

また、建設業団体に対しまして、交通誘導業務の契約に当たっては、警備会社に必要な経費を適切に考慮するように繰り返し要請を行ってまいりました。これらを通じまして、安全管理費がしっかりと払われるように取り組んでまいりたいというふうに存じます。

それから、労務費の基準について、特に交通誘導警備員についてお尋ねがございました。まず、今回、労務費の適正な確保のための新しいルールは民間工事も含めて対象になるものでございます。交通誘導警備員は、重機や大型トラックの出入りなど様々なリスクのある工事現場で大変重要な役割を担っていただいております。その担い手確保は、工事の施工を確保できるかどうか、そこに直結する大変重要な課題であります。

労務費の基準については、これから法の施行後、中央建設業審議会で御議論いただくことになりまして、どの職種、どの工種を対象に設定していくかについてもその場で議論をされることになります。ここでは、交通誘導業務の重要性を踏まえた議論がされるのではないかというふうに考えております。具体的な基準を設定する際には、事情に詳しい関係団体の方の御意見を聞くことが大事だと思います。交通誘導業務についても、その点は変わらないというふうに存じます。

○塩田博昭君 ありがとうございます。しっかり前向きに御答弁いただきましたので、対応よろしくお願いしたいと思います。

次に、資材高騰に伴う労務費へのしわ寄せ防止についてお伺いしたいと思いますけれども、近年の資材高騰が中小の建設業の経営を圧迫をしております。適正な価格転嫁ができずに労務費が削られるというしわ寄せが顕在化をしております。

そこで、本法案では、資材高騰に伴う請負代金等の変更方法を契約書の法定記載事項として明確化し、受注者は資材高騰のおそれ情報を注文者に通知する義務を課すとのことでありますが、それでは、契約時に予見できなかった資材高騰が工事期間中に発生するなど、おそれ情報の通知ができていなかった場合において、契約後のルールとして、受注者は注文者に対して請負代金等の変更を協議できるのかということでございます。また、このおそれ情報というのは具体的にどのような範囲まで注文者に通知すればよいのか、局長にお伺いしたいと思います。

○政府参考人(塩見英之君) お答え申し上げます。

まず、今回のこのおそれ情報を事前に通知する制度は、円滑な変更協議の土壌となるパートナーシップを構築していただきたい、そのためには契約前の段階からリスク情報をお互いに共有をしておくことが有効である、こういう考え方に立ってこのような制度を設けさせていただこうとするものであります。こういう趣旨で事前に通知をしていただくということでございますから、把握をしている範囲で情報をお伝えいただくということで十分だと思っております。

例えば、予期不能な事柄まで調べて情報提供するということは求めるものではないと思います。例えば、将来のあらゆる可能性を網羅して膨大なリスク情報のリストみたいなものを仮に作って形式的に注文者側に提供をしたといたしましても、その後の負担協議の円滑化にはなかなか役立たないというふうに思います。

本来の目的である変更協議を円滑にすると、そういう目的にかなうように情報提供をしていただきたいと思いますし、その具体的な在り方についてはガイドラインを作成をして、その中で分かりやすく情報提供をしてまいりたいと思います。

○塩田博昭君 ありがとうございます。

では次に、働き方改革につながる生産性向上の取組についてお伺いをしたいと思います。
本法案によって、国家資格である建築施工管理技士、土木施工管理技士などを有する現場技術者の専任義務の合理化を図って、建設現場の生産性向上を促すとのことでありますけれども、具体的にどのような条件を満たした場合に各建設現場の専任の技術者が複数の現場を兼任できるようになって合理化につながるのか、教えていただきたいと思うんですね。そしてまた、満たすべき条件や工事の請負額、兼任できる現場の数など、法案の条文には明示されていなかったので、今後、業界団体等の意見も踏まえつつ、政省令で定めるのではないかと推測しますけれども、現時点で言及できる範囲で結構ですのでお答えいただきたいと思います。

○政府参考人(塩見英之君) お答え申し上げます。

今回の改正では、社会にデジタル技術が広く浸透してきているという状況を踏まえまして、
ICTの機器を活用できるなどの一定の条件を満たす場合に監理技術者などの専任義務を合理化するということにしております。

ここで一定の条件を満たす場合にという場合の条件でございますけれども、まず、請負代金の金額につきまして、建築一式工事の場合であれば二億円未満、その他の工事の場合であれば一億円未満とすることを検討しております。それから、現場の状況でありますとか意思疎通に必要な音声とか映像の送受信、そういうものがしっかりとあって、かつ施工体制の把握が遠隔でも把握できるということを要件にしたいというふうに思います。それから、掛け持ちをする現場の間の移動に要する時間が二時間以内であるなど、一日に巡回可能な現場は二つまでというふうに限り、さらに、複雑な施工体制の現場は対象外とするという趣旨から、下請次数が三次以内の工事に限ると、こういうような条件を検討しているところでございます。

今申し上げましたような条件につきましては、令和四年四月に有識者の方々や公共工事の発注者、様々な建設企業や建設業団体の御意見を広くお聞かせいただいた上で、一定の方針を令和四年四月に整理したところでございます。今後は、政省令に対するパブリックコメントを通じ、さらに、業界の皆様も含めて幅広い御意見を伺った上で、最終的な決定をしてまいりたいと存じます。

○塩田博昭君 では、最後に大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、先ほども議論があったように、建設業の就業者は令和五年平均で四百八十三万人となっておりまして、平成九年のピーク時から二百二万人、約三割も減少しているということでございます。また、
建設業への新規入職者は令和四年度は約二十二万人となっていますが、減少傾向にあるわけですね。

従来から指摘されていることではございますけれども、建設業の担い手確保、特に若年、若者の入職者の確保、育成は喫緊の課題だと思っております。先ほど、生産性向上とも関連しますけれども、若者はやはりDXとかICTとか、こういう活用に柔軟に対応できる不可欠の人材だと思うんですね。最先端のデジタル技術をフル活用する、若者にとっては、格好よくて給料もいいと、希望が持てると、こういう魅力のある業種への転換を図ることが大事なのではないかと、こう思います。

公明党は、冒頭で紹介しましたように、持続可能な建設業の実現に向けた提言や、先般も岸田総理に提出をした骨太提言においても、ICTの積極的な活用とともに、書類の電子化、ASP活用の推進なども強く主張させていただいております。

持続可能な建設業の実現に向けて、ICTもフル活用して、若者だけでなく全ての建設業の労働者が希望を持てる業種に変換していくための取組について、最後に大臣の決意をお伺いいたします。

○国務大臣(斉藤鉄夫君) 若い人たち、そして女性の方々にも魅力を感じていただける、
そういう職場にしていかなくてはならない、そのためにICT化というのは非常に重要だと思います。

国土交通省では、これまでASP、情報共有システムを活用した工事書類の原則デジタル化、それから三次元設計データを活用した機械操縦支援など、ICT技術の活用に取り組んでまいりました。今後は、さらに、建設現場のオートメーション化などに取り組むi―Construction二・〇を進めていくこととしておりまして、例えば自動化された複数の建設機械を一人で遠隔管理するなど、最新のICT技術の更なる活用を推進してまいりたいと思います。これによりまして、二〇四〇年度までに建設現場において少なくとも省人化三割、すなわち生産性を一・五倍にすることを目指すとともに、働き方改革や、
また若者、女性、多様な人材が活躍できる魅力的な建設現場をつくり出していきたいと、このように思っております。

○塩田博昭君 ありがとうございました。

今大臣御決意にあったように、建設業への、もう本当に若者に限らず、あらゆる人材がしっかり頑張れるような体制をつくっていただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。以上で終わります。