どこまでも被災者に寄り添った「なりわい補助金」の活用を/決算委員会
参院決算委員会の省庁別審査(経産省など)が5月8日開かれ、質問に立ちました。
能登半島地震の復旧・復興に関し、先月末に石川県で行った党政策要望懇談会や視察を踏まえ、なりわい再生などで現場に寄り添った息の長い支援を訴えました。
被災した中小企業の施設や設備の復旧を支援する「なりわい再建支援補助金」について、原状回復にとどまらず①需要開拓などを見据えた新たな分野への事業展開に伴う施設の整備費用②被災設備の更新・修繕に係る費用③液状化被害の有無にかかわらず、施設復旧に必要不可欠な地盤・土壌改良や解体、がれきの撤去費用――などが補助対象になるとし、被災事業者に同補助金が活用されるよう丁寧な説明と周知を求めました。
斎藤健経済産業相は「現場の声に耳を傾け、被災者に寄り添った支援を進める」と述べた。
また、財務大臣に対して、必要となる施策には積極的に予備費を活用するよう訴えたのに対し、鈴木俊一財務相は「機動的、弾力的に財政措置を講じていく」と応じました。
<質問と答弁>
○塩田博昭君 公明党の塩田博昭でございます。
今日は、能登半島地震関連を中心に質問をさせていただきたいと思います。
私も公明党の災害対策本部の事務局長ということで、発災当初からもう毎週末は必ず現地に行かせていただいておりまして、今に至るまでもうほぼ毎週のように現地に行って様々声を聞いております。そうすると、政府は様々な対応をしているということをかなりの分野において我々も認識をしているんですけれども、やはり、その実際現場に、中における様々な声とはやはり乖離しているものもあるなというふうにも痛感するところがかなりございます。
そういう意味で、今日は一つ一つについて丁寧に確認をさせていただきたいというふうに思いますし、先月二十七日に、石川県の金沢市で各種団体を、二十を超える各種団体と様々な政策要望懇談会行わせていただいて、やっぱり現場の抱えているかなり課題もお聞きいたしましたり、また、その翌日には、私は輪島の方に行って、再度、坂口市長にも会って、いろんな声を聞いてまいりました。
そうしたものを、今日は直接、様々な課題の一つとして、なりわい再建支援補助金についていつか、幾つかお伺いをしたいと、このように思っております。
このなりわい補助金は、能登半島地震で大きな被害を受けた中小企業などを対象に、施設整備や復旧を支援するための補助金であります。ただ、被災した事業所の再建を支えるだけでなく、新しい分野への事業展開を促す支援も可能だということになっているわけでございまして、この新たな取組による施設の整備費用なども補助対象になると、こういうことですけれども、具体的に確認したいと思います。
例えば、輪島の朝市の事業者が、同じ場所での朝市の再開にはかなり時間がやはり見込まれるということがございますので、例えばインターネット販売に転換しようとか、新たに出店を決意した場合に、それに必要な急速冷凍設備とか冷凍庫とか製造ラインなどの設備、さらには新たな店舗などの施設建設費が補助の対象になるということでいいんですよねということが一つの確認ですけれども、これは再起を目指す被災事業者にとってはとても希望の持てる制度だと思います。
私が挙げた事例だけでなくて、こんな事例にも活用できるとかこのような新規事業の例もあるなど、もっと再建へのイメージが湧きやすい新分野事業の例を示していただけないか、また、その際の申請条件とか補助率、補助の条件なども併せて経済産業省にお伺いいたします。
○政府参考人(松浦哲哉君) お答えを申し上げます。
なりわい補助金につきましては、被災地域の復旧復興の促進に向けて、被災中小・小規模事業者の方々の事業に不可欠な施設設備の復旧を支援しております。
その支援内容といたしましては、能登半島地震により被災された石川県の中小・小規模事業者の方について申し上げますと、補助率を四分の三以内、補助上限額を十五億円とさせていただいております。
その上で、なりわい補助金につきましては、原状回復に必要な費用を上限としまして、委員御指摘の新分野事業として、復興事業計画の実施に不可欠な施設設備を新たに整備するための費用を補助対象とすることも可能としているところであります。
具体的には、委員が先ほど御指摘された事例に加えまして、食品製造業を営まれている事業者の方が原状回復に必要な費用の範囲内で自社工場の一画に自社製品を使った飲食店を開設する、あるいは、旅館業を営まれている事業者の方が従前の事業施設の復旧に加えまして地域産品を使われた商品の開発、製造を行う工場を整備される、こういったことごとにより被災地域の復旧復興の促進につなげていく事例も想定されているところであります。
いずれにせよ、補助金の実施主体であるところの県や関係者の皆様と連携して、状況を丁寧に把握するとともに、引き続き被災事業者の皆様に寄り添った支援を進めてまいりたいと思います。
○塩田博昭君 今御答弁いただきましたけれども、あわせて、防災・減災に有効な改良であるということは分かるんですね。で、それに、性能向上への補助対象についてお伺いしたいと思いますけれども、今言いましたように、施設の建て替えに伴って耐震基準等を満たすための構造強化についてはそのとおりだと。で、性能向上に役立つ機能付加や拡充を図ることにも補助が可能となるというのは具体的にどういうことを指しているのか教えてもらいたいんですね。
例えば、今回被災した多くの漁業協同組合においては、漁業生産に必須の例えば製氷とか燃油とか荷さばき施設などの整備は、既に老朽化したものを使っていた例が多いんですけれども、それらの設備や機械を更新すると、原状回復というよりは、当然、更新や修繕によって従来よりもおのずと性能向上になるわけですね。このような場合もなりわい補助金の対象になるのか。そして、そのほかにも分かりやすい性能向上の事例や活用例があれば教えていただきたいというのが二点目。
そしてまた、防災・減災を、有効な施設の建て替えや大規模修繕をする場合、原状復帰までにかなりの時間を要するわけでありますので、その場合の一時的な仮店舗の建設経費は補助の対象にならないのかも併せて経済産業省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(松浦哲哉君) お答え申し上げます。
繰り返しになりますが、なりわい補助金は、被災地域の復旧復興促進に向けて、被災された中小企業・小規模事業者の皆様の事業に不可欠な施設設備の復旧を支援するものであります。
その上で、委員御指摘のとおり、従前の設備が古いなどの理由によって被災前と同一の設備や同等品が手に入らない場合、こうした場合においては、現在入手できる最大限の性能の設備をもって復旧することが認められておりまして、その結果といたしまして性能が高い設備が補助対象となる場合はございます。また、原状回復に必要な費用を上限としまして、被災前よりも高性能の設備の導入など、単なる原状回復にとどまらない被災事業者の皆様のお取組も支援可能としているところであります。
具体的に事例を申し上げますと、委員御指摘の事例に加えまして、例えばですが、これまで手動で生産設備を使われておられた方が被災されて、当該設備が古くて同じような品物が手に入らないと。現在調達可能な性能としては半自動の生産設備、これが唯一入ると。そういう場合には当然、こういったことも補助対象、支援対象と考え得るかと思っております。また、別の事例としましては、パン焼き器が全損しまして、同じ時間でより多くのパンが焼ける機械を入れ替えるように、同一目的でかつ同種の施設設備について、原状回復費用の範囲内でより性能が高いものを選択されるケース、これについても補助対象と考え得るものと考えております。
また、加えてですが、なりわい補助金におきましては、一時的な仮設施設、これらの整備経費は対象としておりませんが、別途、中小企業基盤整備機構におきまして仮設施設整備支援事業という事業を行っておりまして、これらは自治体さんが行われるような仮設商店街などの集合型の施設の整備費用を助成しているところであります。
○塩田博昭君 ありがとうございます。
今御答弁いただいたことは非常に大事なんですけれども、現場にはなかなかこういう制度があるということが届いていない場合が多いんですよね。できる限り、ですから、現場の市町に行ってもそういうことはできないって言われてしまう人もやっぱり中にはいて、国の方としては、こういういろんな制度が使えるんだというところの、やはり現場の中にしっかり浸透させていくということがやはり大事だろうと思っていますので、よろしくお願いいたします。
そして、続けて、液状化被害のある場合の地盤・土壌改良費用や被災した施設の解体費用、そして瓦れきの撤去費用についての補助対象にどこまでなるのかについて伺いたいと思いますけれども、一つは、まず液状化の地盤・土壌改良については、施設等の復旧に付随する場合は対象となり、付随しない地盤・土壌改良は対象外であるということですけれども、施設等のこの等には敷地内にある別棟の事務所や駐車場などは含まれないのか、また、この付随するというのはどう理解すればいいのか教えてもらいたいというのが一点目。
そして二つ目に、解体費用については現地で建て替えを行う場合のみ対象とのことですけれども、被災した施設と全く同じ場所に、じゃ、限定されるのかと。同じ敷地内で補助金の対象となる性能向上の、例えば新規製造ライン等を導入して工場を建て替えようとする場合、解体する前の施設と同じ、全く同じ位置にならない場合もあるかもしれないわけです。こういうことに対して柔軟な判断をお願いしたいというのが二点目です。
そして三点目に、瓦れき撤去についても施設等の復旧に付随する撤去費用が対象となりますが、どこまでが付随するのかがやはり分かりにくいんですね。
これについて経産省に伺いたいと思います。
○政府参考人(松浦哲哉君) お答え申し上げます。
なりわい補助金につきましては、本当に繰り返しになりますが、被災中小企業・小規模事業者の皆様の御事業に不可欠な施設設備の復旧を支援するものであります。委員御指摘の敷地内にある別棟の事務所や駐車場につきましても、事業に不可欠なものである場合につきましては、液状化被害の有無等にかかわらず、これは支援対象となり得るものと考えております。
今回の能登半島地震については、関係各省や自治体などが分野ごとに様々な支援策を講じているところでありますが、そうした多様な支援策の中におきまして、なりわい補助金はこの事業に不可欠な施設設備の復旧を支援するものでありまして、一義的には、地盤、土壌の改良、施設の解体、瓦れきの撤去、これらを直接の目的とするものではありません。したがって、原則としては補助対象とはしておりません。
他方で、このなりわい補助金が支援対象とする施設設備の復旧に当たり不可欠な場合におきましては、先ほど申し上げた地盤、土壌の改良、施設の解体、瓦れきの撤去等々に関する経費、これらは付随するものとして扱い、補助対象としてきております。具体的には、例えば、被災した工場の現地復旧に先立って液状した土壌を震災前の状態に戻すケース、あるいは、被災した生産設備の入替えに先立ちまして、流れ込んだ土砂や瓦れき、これらを撤去するケース、こういったことが想定されております。
また、事業者様の責めに帰さない他律的な要因において現地での復旧が困難な場合、こうした場合に限っては、移転し、別の場所で復旧することも認められております。こうしたケースにおきましては、従前施設や移転先にある既存施設の解体に要する費用については復旧に当たり不可欠な費用ではないことから補助金の補助対象とはしておりませんが、こういったケースについても対象として考え得るものと見ております。
○塩田博昭君 制度としてはしっかりしているはずなんですけれども、現場では、これが本当にどこまで使えるのかということについてはなかなか分かりにくいところがやっぱりどうしてもあって、現場の中での同じようなことをやはり我々も何度も何度も聞かれて、それに対して、じゃ、できるんだろうということで現場に行ったら、やっぱりなかなか難しいと言われてしまったというケースもやっぱりあるんですね。そういう意味での、しっかり、制度というのは人を救うためにつくっているはずなので、しっかり人を救うための制度として実際に使えるようにお願いをしたいと思っています。
そして、なりわい補助金の補助率についてお伺いしたいと思います。
対象地域の石川県や富山県、新潟県等において、過去五年以内の震災や豪雨の多重被害に遭っている事業者というのは一定額までその全額が補助される定額補助になっていますけれども、現場からは、この要件を満たすのはかなりハードルが高い、こういうような声がかなりあります。また、この定額補助以外の補助率は、自己負担が四分の一なんですけれども、なりわい補助金はとても有り難いんだけれども、この小規模事業者の方たちにとってはこの四分の一の負担というのは非常に大きな負担なんですと、こういう声も寄せられておりまして、さらに、なりわい補助金は事業完了後の精算払いになっているわけですよね。
着手金であるとか中間の運転資金などを考慮した補助金の速やかな概算払を実施できないかというのが一つ。そして、早期の精算手続についても検討すべきではないかと思いますけれども、これについても経産省の見解をお伺いします。
○政府参考人(松浦哲哉君) お答えを申し上げます。
なりわい補助金の御支払につきましては、事業の実施主体であるところの各県がルールを整備しておりますが、その内容としては、委員御指摘のように、全ての事業が完了し補助金額が確定した後の精算払いを原則とした上で、施設、設備単位で工事が完了し支払実績が確認できたものなど、一定の要件の下で概算払も可能としているところであります。
また、被災した事業者の皆様の支援につきましては、この補助金だけではなく、日本政策金融公庫による特別貸付けや、あるいは災害関係保証などの金融支援も併せて講じているところでございます。
いずれにせよ、補助金の実施主体であるところの県や関係者と連携し、状況を丁寧に把握するとともに、引き続き寄り添った支援に努めてまいりたいと思います。
○塩田博昭君 今、最後に、被災者に寄り添った支援をしっかりやりたいというふうにおっしゃっていただきましたけれども、そういう意味では、一定の要件の概算払というのもありますけれども、やはりこれもハードル結構高いですし、これからのことですけれども、復興基金等も含めて、どういうことができるのか、やはりよく検討もしていただきたいと思います。
そして、このなりわい再建支援事業のまとめとして、経産大臣にお伺いしたいと思います。
大臣の下にも被災地から様々なお声が、要望届いていると思います。
特に甚大な被害を被った奥能登の小規模事業者の多くは、やっぱり高齢者が大変多いんですね。それで、事業を再開しようと思っても、後継者がいなくて再建をためらっている場合もあります。また、なりわい補助金の説明を聞いて前向きになったんだけれども、かなり簡略化されているんだけれども、様式の、申請様式に、やっぱり煩雑だと、こういうふうにおっしゃる方もやっぱり我々の中にいて、申請を諦めたりする事業者がいるという声もやはり聞いておりまして、石川県は、能登半島地震からの創造的復興のプランの策定、骨子を発表しております。その施策の大きな柱に、能登の特色あるなりわいの再建を掲げているわけでございますけれども、石川県の目指す創造的復興には、能登の特色あるなりわいを支えてきた小規模・中小企業事業者の再建がやはり必須であると、このように思います。そのためには、手続のやはりもっともっと簡素化、そして補助金の交付決定の迅速化がやはり重要だと、こう思っています。
大臣のリーダーシップの下に、このなりわい補助金を最大限に活用して、能登の特色を生かしたなりわいや産業の復興を推進する決意とともに、柔軟な運用へ制度の果敢な見直しなどについても、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(齋藤健君) 発災から四か月がたちまして、各地のインフラも整いつつある中で、現場では中小企業支援策も具体的に今動き始めています。
引き続き、被災地、被災者の立場に立って、できることは全てやる、いつもこう申し上げておりますが、この決意で全力で取り組んでいきたいと思っています。
委員御指摘の手続の簡素化につきましては、被災事業者の直面する状況を勘案し、事業計画書を可能な限り簡素にするなどの対応を既に行っております。一方、なりわい補助金も税金等を原資とした補助金の一つでありまして、国民の皆様の理解を得ながら執行すること、これもまた重要でありまして、補助金申請額が適正であるか否かを客観的に評価することが可能な申請書類、これを求めざるを得ません。
その上で、申請に困っている事業者をサポートするために、全国の商工団体から経営指導員や専門家を能登半島事業者支援センターや被災各地に派遣するなど、相談体制を強化することで手続の迅速化につなげているところであります。
現在、補助金申請に向けた具体的な相談が増加をしてきておりまして、支援に当たる実務者間の連携が一層重要になってきています。私が本部長を務めます被災中小企業・小規模事業者等支援本部の下に自治体や商工団体などの実務者の皆様によるワーキンググループを設置しておりますが、このワーキンググループを通じて連携を強化しつつ、現場の声に耳を傾けながら、被災された事業者に寄り添った支援、これを進めていきたいと考えています。
○塩田博昭君 大臣、よろしくお願いいたします。
そして次に、輪島塗など伝統工芸品の製造事業者向けの伝統的工芸品産業支援補助金についてお伺いをしたいと思いますけれども、まず、第一弾は二月一日から十六日までの間、この事業の公募を行った結果、どの程度の申込みがあって採択結果がどうだったのか、また、今後どのような効果が見込まれ、既に生産を再開した事業者がいるのか、これを簡単に教えていただきたいと思います。
そして、四月十九日から第二弾の補助金を公募しておりまして、申込みや問合せ状況がどうかということが二つ目。
そして、伝統工芸品の製造事業者というのはほとんどが個人事業主でございますので、特に輪島塗の場合は工程ごとに分業化されておって、住宅兼作業場というのがかなり多いです。そういう中で、再開に向けて必要な設備や道具、材料も様々で、やはり被災者へのきめ細かなサポートがとてもやはり重要になってきます。そういう中で、交付申請のサポートや相談にどのような体制で臨んでいるのかも教えてもらいたいんですね。
私がこの四月二十八日に輪島のこのまき絵師の方にお伺いして、こういうその補助金のチラシ知っていますかと見せたらですね、いや、初めて見ましたって、四月の二十八日で初めて見ているんですね。だけれども、一弾も二弾ももうやっている。そういうのがやはりまだまだ実態であるということでございまして、そしてこの第二弾の公募は六月二十八日までということでございまして、自宅兼作業場の奥がやはり全壊をしている方はかなりいらっしゃるんですね。公費解体もやはり順番待ちですので、全く自分の家がいつ使えるのかなんてめどが立たない。仮設住宅では寒くて、狭くて作業場にはとてもならない。ですから、仕事の再開はまだいつになるのかもうめどが立っていない状況でございまして、採択状況を勘案しながら、是非、この更なる延長も視野に柔軟な対応をお願いをしたいと、このように思っています。
経産省の見解をお伺いいたします。
○政府参考人(橋本真吾君) お答え申し上げます。
御指摘の伝統的工芸品産業支援補助金の一次公募につきましては、二月に実施いたしまして、約四十件を採択いたしましたところでございます。一部の事業者からは、既に住まいの一部を仕事場にして事業を再開したという声をいただいているところでございます。
また、四月から開始した本補助金の二次公募につきましては、五月七日時点でまだ申込みはございませんけれども、問合せにつきましては二十件程度いただいているところでございます。
被災事業者への申請の支援につきましては、補助金申請に係る専門的知識を有する具体的、実践的な支援を行うべく、一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会と連携し、中小企業診断士にも御対応いただきつつ、被災事業者に寄り添いながら、補助金の概要説明や申請などに関する相談、申請書類等の手続サポートを行っております。
また、被害を受けた事業者の方々に本補助金を御活用いただくため、特に被害が甚大でありました石川県内の事業者向けに五月中に二回の説明会を行うとともに、輪島塗組合や輪島市を通じた組合員への情報提供や組合参加者ではない職人の方々への情報展開をお願いいたしているところでございます。
本事業につきましては、まずは二次公募において被災された事業者に寄り添って対応してまいりたいと考えておるところでございますが、その後につきましても、引き続き被災された事業者が安心して再建の道を歩めるよう事業者に寄り添った検討を続けてまいりたいと、このように考えております。
○塩田博昭君 是非丁寧にお願いしたいんですけれども、要するに、現場の様々な、この補助金の対象になるような方というのは、やはり自宅兼作業場でやっていらっしゃるので、結局、自宅がいつ再建されるのかというめどが立たない間はこの申込みすらする気になっていないという人たちが実は多いです。
ですから、私も直接そういう方たちに会って話を聞いても、申込みすらできないんだと、それが六月二十八日締切りだなんてなっちゃうとやはりとても無理なので、やはりある程度の年月を要するんだろうというふうに思っていますので、この点、丁寧にお願いしたいと思っています。
そして次に、燃料油価格変動緩和対策事業について、激変緩和対策について経産大臣にお伺いいたします。
能登半島地震から復旧には燃料価格への負担軽減策も重要でございまして、例えばこの前団体で聞いたと言いましたけれども、例えば、バス協会とか、タクシー協会とか、石川県に燃料油価格対策の継続をやはり強く我々も求められました。
大臣は、三月二十九日の記者会見で、ガソリン等の燃料油については中東情勢の緊迫化等を背景とした今後の価格高騰リスク等や様々な経済情勢を見極めるため一定期間延長すると、このように述べられましたけれども、その一定期間とはどのように捉えればいいのか。これから事業再開に踏み出す中小企業事業者にとって、燃油などの固定費の価格が変動すると、復興までの事業計画を描くにもやはり支障が出ると。激変緩和対策の延長について具体的な時期を示すことや出口を見据えられる状況について明らかにできないのか、経産大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(齋藤健君) まず、燃料価格の激変緩和事業につきましては、原油価格の急騰が国民生活や経済活動、これに与える影響を軽減をすべく、一時的な緊急避難措置として実施をしているものであります。
GXや脱炭素化等を進めていく観点を踏まえますと、本事業はいつまでも続けるものではないと思っていますが、一方で、本事業を取りやめることによる、今お話ありましたけど、国民生活や経済活動への影響、これも考慮することが必要であります。
出口戦略を描くに当たりましては、そうした点も含めまして、国際情勢、経済、エネルギーをめぐる情勢などをよく見極めながら適切に対応をしていきたいというふうに考えておりまして、今の時点でいつからということは申し上げられるような状況にはないということを御理解いただきたいなと思います。
○塩田博昭君 大臣のお気持ちはよく分かります。現場も様々課題も抱えています。是非よろしくお願いいたします。
ちょっと時間の関係で、財務大臣、最後になるかと思いますけれども、今後の能登半島地震対応において、増額した令和六年度の予備費一兆円も活用してどのような姿勢で復旧復興に取り組んでいくのか。政府は、四月二十三日の閣議で、能登半島地震の被災地を支援するために、二〇二四年度予算の予備費から千三百八十九億円の追加支出を決定をいたしました。能登半島地震対応の予備費支出はやはり四回目でございますので、総額は約四千百億円と認識しております。今回の追加支出も、公明党が強く求めてきた施策が大きく反映された部分もございます。
大臣、今後も、能登半島地震からの復旧復興については、積極的な予備費の活用をためらうことなく英断いただいて大きく前に進めていただきたいということをお願いするとともに、復興に向けた大臣の見解、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 能登半島地震からの復旧復興につきましては、これまでも予算の制約によって震災対応をちゅうちょすることがあってはならないという基本的な考え方の下で、復旧復興の進捗に合わせて必要となる財政措置を大胆に講じてきたところであります。
本年一月の発災以来、これまで総額四千百五十七億円の予備費等の活用を図ってまいりました。引き続き、被災された方々が一日も早く日常を取り戻すことができますように、政府一丸となって能登半島地震からの復旧復興に取り組んでいく所存であります。
今後、新たに必要となる支援に対しましては、予備費の残額、まだ八千六百二億円ございますので、これを活用し、ちゅうちょすることなく、機動的、弾力的に財政措置を講じてまいりたいと考えております。
○塩田博昭君 ありがとうございます。
大臣、是非、現場に行きますと、まだまだ様々な必要な政策ございますので、どうか大臣の英断でどうかよろしくお願いいたします。
以上で終わります。ありがとうございました。