公明党 参議院議員/全国比例区 塩田ひろあき

活動報告

デジタル化に対応した消費者教育の加速化を/消費者問題特別委員会

2024年06月14日

6月14日、消費者特別委員会で質問に立ち、SNSなどネットのコミュニケーションツールを悪用した詐欺が横行している事例を挙げて、①デジタル化に対応した消費者教育の推進②マッチングアプリによる被害の実態③マッチングアプリ被害を防ぐため「マル適マーク」の導入──など、担当大臣に質しました。

<質問と答弁>
○塩田博昭君 公明党の塩田博昭でございます。
今日は、まずデジタル化に対応した消費者教育の推進についてお伺いをしたいと思います。

最近は、特にニュースで取り上げられておりますように、有名人をかたった不正なデジタル広告による投資詐欺を始め、暗号資産のもうけ話、また、楽しい学生生活を装う偽サークルへの勧誘とか無料イベントでの催眠商法など、消費者が巻き込まれる様々なトラブルが今増え続けているわけでございます。しかも、その手口は巧妙化をいたしておりまして、若者だけじゃなく高齢者、若者とか高齢者だけでなく、幅広い世代がだまされて種々のトラブルに今巻き込まれ、様々ニュースにもなっているわけでございます。

特に、SNSなどネットのコミュニケーションツールを悪用した詐欺が横行しておりまして、高齢者だけでなく、LINEなどやり取りの途中で、高齢者でなくても、このLINEのやり取りの途中などで、これはもしかして詐欺ではないのかということに気付いたり、詐欺だと見抜くことが非常に今困難な現状になっているのではないかと、このように思います。

消費者庁は、消費者教育推進法に基づいて、だまされない消費者、そして自分で考える消費者の育成を目指して消費者教育推進会議で議論を重ねていると承知しておりますけれども、その会議の第六期、令和五年十月から来年九月までの期間において、デジタル化に対応した消費者教育の推進を議論することとなっているわけでございます。

消費者を取り巻く社会情勢というのは今すごいスピードで変化をし続けておりますし、消費者トラブルはまさに現在進行形で起きており、深刻化していると言わざるを得ないと思うんですね。生成AIを含む様々なフェイク情報の蔓延も懸念をされている中で、そもそもネットの分野ではだまされる消費者とだます側の、悪質業者との間に圧倒的な知識のまた技術の差があるというのが実態ではないかと、このように思うんですね。

そこで、大臣、消費者力を鍛えて悪質なだまし手口を見抜くことを目指す消費者教育をもっと早くやはり実施することができないのかと思うんですが、消費者教育推進会議の議論の結論は来年九月までの第六期の期間までとなっておりますけれども、とても今待てないような被害が非常に多く出ている。今こそ、デジタル化、デジタル化に対応した消費者トラブルへの早急な対応策と消費者教育の推進を加速化させるべきではないかと思いますが、大臣の見解をお伺いいたします。

○国務大臣(自見はなこ君) お答え申し上げます。
デジタル化の急速な進展に伴いまして消費者を取り巻く取引やサービスが急速に変化する中、情報リテラシーや情報モラル等を消費者が習得する必要性はより一層高まっていると認識をしてございます。

消費者庁では、デジタル関連のトラブルやその対処法について、学校や事業者等への出前講座において扱っているほか、最新のトラブル事例やその対策につきましてSNSや消費者教育ポータルサイト等で発信し、広く注意喚起をしているところであります。

また、各世代に向けましたデジタル関連教材のほか、昨年度、体験型教材「鍛えよう、消費者力 気づく・断る・相談する」を作成をしたところであります。この教材は、最近のネットトラブルの事例について対策を学び、復習、実践して消費者力を習得できるものであり、現在、学校や地域等での講座で活用いただいているところでもございます。

委員から言及いただきましたデジタル化への対応につきましては、第六期消費者教育推進会議における課題といたしまして、関係省庁や団体とともに現在議論を重ねております。先月の消費者教育コーディネーターの研修にも同会議の議論を活用していただいたところでございます。

委員の問題意識、しっかりと共有した上ででありますが、このような形で、来年の九月の同会議の終了、期間終了を待たずに、同会議での御意見及び御議論は速やかに施策に反映し、関係省庁とともにデジタル化への対応を加速化してまいりたいと思ってございます。

○塩田博昭君 今大臣お答えいただいたように、やはり消費者力をどう鍛えていくかというのは非常に大事なことでございますので、こういう体験型、しっかり早めに皆さんの下でも届くような体制つくっていただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。

そして、次に、マッチングアプリによる被害の実態についてお伺いをしたいと思うんですね。

急速に拡大をしている詐欺や悪質商法の一つにネットのマッチングアプリを利用したものがある、今現状がございまして、具体的には、マッチングアプリを通じて知り合った相手が、暗号資産であるとかFXであるとか、そういう投資を紹介をしたり、必ずもうかるなどと誘って投資金をだまし取るようなケースが出ております。また、相手に恋愛感情を抱かせて高額な商品やサービスを購入させるデート商法であるとか、外国人を装った詐欺師が恋愛感情を利用して金銭をだまし取る国際ロマンス詐欺とか、結婚を前提に関係を築いて、家族が病気でお金が要るといった理由で金銭を要求して、その後連絡が途絶える結婚詐欺などが、報道でも度々報告をされているわけでございます。

これらのマッチングアプリによる被害の実態についてどのようなデータや報告があるのか、消費者庁にお伺いしたいと思います。

○政府参考人(植田広信君) お答えいたします。
マッチングアプリによる被害の実態でございますけれども、全国各地の消費生活センターにはマッチングアプリ等をきっかけとする投資トラブルに関する相談が多数寄せられているところでございます。件数を申し上げますと、二〇二三年度におきましては約千件という相談が寄せられているところでございます。

具体的な相談事例といたしましては、今御紹介もいただきましたけれども、例えば、マッチングアプリで知り合った人から結婚後の資金をためると言われ、暗号資産を送金したが連絡が取れなくなったでありますとか、マッチングアプリで知り合った人からFX取引を勧められ、個人口座に振り込んだが連絡が取れないといった相談が寄せられているところでございます。

○塩田博昭君 今被害の実態について教えていただきましたけれども、これらのマッチングアプリによる被害を防ぐために、現在、政府はどのような対策を講じて行っているのか、また、関係省庁間での連携や具体的な施設についても教えていただきたいと思います。

○政府参考人(植田広信君) お答えいたします。
まず、消費者庁、国民生活センターの取組でございますけれども、マッチングアプリを含む出会い系サイト、アプリに関する消費者トラブルについて注意喚起を行っているところでございます。

また、マッチングアプリ等をきっかけとしたトラブルを含めました投資等に関するトラブルにつきまして、これまでも消費者庁において、無登録業者との外国為替証拠金取引や、SNSなどを通じた投資や副業といったもうけ話などにつきまして注意喚起を行うとともに、不審に思ったらすぐに消費者ホットライン一八八、いやや等に相談することを呼びかけているところでございます。そのほか、本年三月には、SNS事業者と警察、金融庁、消費者庁等が連携いたしまして、マッチングアプリで知り合った人からの勧誘を含む投資詐欺でございますとか、送金詐欺、情報商材詐欺等のSNSを悪用した詐欺への注意喚起を実施したところでございます。

さらに、政府全体の取組でございますけれども、投資詐欺やフィッシングによる被害等に対処するための総合的な対策プランの策定に向けて現在作業を行っているところでございまして、消費者庁といたしましても引き続き、関係省庁と連携をしながら、取組を進めてまいりたいと存じます。

○塩田博昭君 今御答弁いただきましたけれども、やはり、そもそもマッチングアプリの信頼性をいかに高めるかということがやはり大事になってくるんだろうというふうに思いますし、信頼性を高めるための何をすることができるのかということをしっかり考えていく必要があるなと、このように思っています。

例えば、リアルな出会いの場を提供する結婚相談所というのがございますけれども、ここは、第三者機関などが発行するマル適マークというのを出して、こういうのがございます。これは、結婚相談所が法令を例えばちゃんと遵守をして適正なサービスを提供していることを証明する認証制度でございまして、利用者にとっても安心感を与えている、こういうことでございます。この認証を取得するためには、三つあるんですけれども、一つは法令をちゃんと遵守しているということで、消費者契約法や特定商取引などの法律を守っているということ。そして二つ目に、適正なサービスの提供ですね、これは適正な料金設定や透明性のある契約内容を提供しているということ。そして三つ目に、利用者の安全確保ということで、個人情報の保護やトラブル発生時に迅速な対応を行うことなどの基準を満たす必要があるわけでございまして、二〇二三年に明治安田生命が行ったいい夫婦の日に関するアンケート調査というのがあるんですね。これによりますと、出会って一年以内に結婚された御夫妻の出会いのきっかけですけれども、実はこのマッチングアプリが二五%を占めております。そして、職場の同僚とか先輩、後輩が二五%と、同率でトップであるということなんです。

こうした調査を見ても、今や四人に一人がこのマッチングアプリを通して結婚する時代になっている、そういう時代でございまして、そこで、例えば東京都においても、独自のマッチングアプリの開発を進めて今年の夏頃までには本格実施するということだそうでございます。そして、東京都のアプリの会員登録には名前とか生年月日、最終学歴や年収などの入力が必要でありまして、写真付きの本人確認書類とか自治体が発行する独身証明書に加えて源泉徴収票などの年収を確認できる書類の提出も条件になっているということでございます。また、真剣に婚活することを示す誓約書に署名することも必要とすると、こういうことでございまして、ただ、こういうことが利用者が安心して利用できる仕組みになるのではないかという検討をしているそうでございます。また、江戸川区など、自治体がマッチングアプリの民間事業者と協定を結ぶ例もあるんですね。

今後ますます利用者の増加が予想されておりますこのマッチングアプリに対して、結婚相談所のマル適マークのような認証制度の導入を検討することは、例えば詐欺であるとか悪質商法の防止に効果的ではないかと考えますけれども、消費者庁として、こういうことに対応する計画があるのか、大臣にお伺いしたいと思います。

○国務大臣(自見はなこ君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、結婚相談所につきましては認証制度が運用されていると承知してございます。また、マッチングアプリについても、例えば、NPO法人結婚相手紹介サービス業認証機構による認証制度の運用がされていると承知してございます。

お尋ねのマッチングアプリを始めといたしましたデジタル技術の革新により消費者を取り巻く環境に著しい変化が生じているところでもあり、消費者利益の擁護のためには、行政機関による規制のみならず、消費者から選ばれるための事業者における自主的な取組など様々な手法を組み合わせた対応が重要であると考えてございます。

そのため、消費者トラブルの未然防止や拡大防止に向け、引き続き、関係省庁とも連携しながら事業者や業界の取組を後押ししてまいりたいと考えております。

○塩田博昭君 ありがとうございます。
今大臣おっしゃっていただいたように、できる限り利用者が安心してこういうアプリについても使うことができるような対応をお願いしたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。