公明党 参議院議員/全国比例区 塩田ひろあき

活動報告

ドクヘリの運航経費の確保・小児がん経験者の就労支援を主張/厚労委

2025年03月24日

3月24日、厚生労働委員会で来年度予算の委嘱審査が行われ質問に立ちました。

14日の予算委員会で取り上げたドクターカー導入支援とドクターヘリの広域連携の強化について再び取り上げ、厚労大臣にその重要性を強く訴えました。
また、ドクターヘリの運航経費の確保については、国際情勢による燃油の高騰、部品代や人件費の大幅な値上げなどで、ドクターヘリの運航会社が経営困難に陥るほどの現状を取り上げて、運航経費経費の確保を厚労省に要求しました

さらに、小児がん経験者の就労支援策の必要性について、厚労大臣に制度設計を迫りました。

<質問と答弁>

○塩田博昭君 公明党の塩田博昭でございます。
今日は、まず、救急医療についてお伺いをしたいと思います。
十四日の予算委員会でもこの問題取り上げましたが、時間十分ございませんでしたので、重ねて今日お伺いをさせていただきたいと思いますけれども、今日は、まず、ドクターカーの導入への支援について厚労大臣にお伺いしたいと思います。

ドクターカーの購入とか運行経費の支援策というのは、これまで、国や都道府県、また病院の負担がそれぞれ三分の一ずつということで、既にこの制度はでき上がっているわけでございますけれども、来年度の予算案には、国が二分の一、そして都道府県二分の一、そして病院二分の一ということで、これはもう病院にとっては負担が圧縮されるということは大変有り難いことだと、このように思っておりますけれども。

この、要するに病院の負担が今までも大きいことが足かせになっていたということが一つと、それから、前回予算委員会でも質問いたしましたけれども、そもそもこの制度そのものを病院が知らなかったということが非常に大きかった、こういう課題があったわけでございますけれども、ここで、今日、厚労大臣にお伺いしたいのは、やっぱり病院が、もうなかなか救急の部門というのは採算が上がらないというような中で、新たなドクターカーとか運行経費を入れていく部分においてはかなり苦しいんですよね。

そういう部分をなるべく圧縮してもらいたいということで、来年度予算、一歩前進をしていただいたんですけれども、さらに、今後については、更に前進をしていただきたいという思いの中で、例えば、今まで、国三分の一、都道府県三分の一、病院三分の一。都道府県は三分の一を負担していただいていたわけですから、今後については、この三分の一をできれば二分の一にしないで、要するに四分の一にしないで、三分の一分を負担をしていただければ、更に病院の負担分が軽くなる、このように思うわけでございます。

そういう部分について、是非、来年度は頑張っていただいている、今後の部分についても、是非将来見通した上で、厚労大臣に御答弁いただきたいと思います。

○国務大臣(福岡資麿君) 先般、予算委員会でもこの議論をしていただきました。
厚生労働省におきましては、救命救急センターによるドクターカーの車両購入であったり、運転手の確保等に要する費用につきまして、財政支援を実施してございますが、委員御紹介いただきましたように、令和七年度予算案については、国の負担割合を二分の一に引き上げ、医療機関等の負担割合を引き下げるといった支援内容の拡充を盛り込んでおります。
その上で、二つ御提案いただきました。

まず、しっかりもっと周知を図るべきだ、そこは予算委員会でも申し上げましたように、もっと広くこういう制度があるということを分かっていただくための取組、更に進めていく必要があるというふうに思っています。
もう一つは、四分の一になったとはいえ、その医療機関の負担が重いのではないかというような御指摘でございます。
この事業の令和八年度以降の取扱いにつきましては、まずはその七年度からの拡充も含めたこの事業の活用がしっかりなされるように、それを行っていきながら、必要に応じて検討して、引き続き予算の確保に努めてまいりたいと思います。

○塩田博昭君 今大臣から、必要に応じてまた検討するということでございましたが、是非、必要であるというふうに思っていますので、今後のことについてまた議論を深めていただきたいというのがお願いでございます。

そしてさらに、ドクターヘリの広域連携について、これについても予算委員会でもこれは総理にお聞きいたしました。総理は、当然そういう効果的な活用を推進するというのは大事だと、こういう御答弁、総理からも確かにいただいておりますけれども、より具体的にどういうふうに広域連携を進めていくのかということがやはり大事だろうというふうに思っています。

今の広域連携はどうしても自県優先主義という部分がまだまだありまして、そういう意味では、隣県同士で生活圏に近い部分を優先をする、こういうところをしっかり取り組むべきだと、このように思っているわけでございまして、今の四十五府県、三十一の協定が結ばれている中で、どうしても、自分の県のドクターヘリがどうしても出せない場合に隣接県のドクターヘリを要請する、こういう規定になっている場合があります。

もちろんそうでない場合もあるんですけれども、まだまだどうしても自県をまず優先をする、ヘリを出す、そうすると、結局、救急現場が隣の県のドクターヘリを出している病院と比較的近い場合でも、そういう協定がもし結ばれていない場合には、比較的、自県にあるんだけれども遠いドクターヘリを飛ばさないといけない、こういうことがやはり救急患者にとっては余り得策ではないだろうということをやっぱり思うわけですよね。こういうところがしっかり協定の中でも結ばれていくことが大事だろうというふうに思っています。

これを、要するに、しっかりやっていきますというのは総理からも言っていただいたんですけれども、具体的にどう進めていくことがしっかり進むことになるんだろうかということで、もちろん厚生労働省が通達を出すとか、いろんなやり方あるかもしれません。また、この春に課長級の会議等を行って徹底をするときに、できればそういうことについても厚労省がしっかりこういう話も入れていただく、こういうことも大事だろうと、こういうふうに思うんですね。
具体的にどういうところでやはり進めていくことが大事かということを、大臣、御答弁いただきたいと思います。

○国務大臣(福岡資麿君) ドクターヘリの広域連携につきましては、これまで医療計画の指針におきまして、都道府県に対し、隣接する県の関係者と協議をする場を設け、県境を超えた広域連携を含め、効率的な運用を図ることを求めてきたところです。

御紹介いただきましたように、都道府県間の三十一の広域協定が締結をされておりまして、このうち十一の広域協定においては、地理的な条件によっては他都道府県のドクターヘリを優先的に要請する協定となっておりますが、他方で、都道府県からは、ドクターヘリの運用をまずは自らの県の救急医療に活用し、責任を持って県内で対応することを優先したいといった意向も伺っているところでございます。

厚生労働省としましては、現時点において広域協定の内容について全国一律の方向性をお示しすることは難しいと考えておりますが、都道府県において、地域の実情に応じて、地理的な条件によっては他県のドクターヘリを優先的に要請することも含めて検討し、適当な形で締結をいただくことが大変重要であると考えております。
引き続き、ドクターヘリの運用の実態や事例などを丁寧に把握し、より有効で効率的な運用の在り方について検討してまいりたいと思います。

○塩田博昭君 今、大臣御答弁いただいたのはそのとおりなんですけれども、結局隣接県同士にお任せしていると、なかなかやっぱりそこまで詰めたやり取りができない場合もあって、関西広域連合なんかは、例えば京都府は自県のドクターヘリ持っていませんけれども、豊岡から飛んできてくれたり滋賀県から来たり、あらゆるところできちっとカバーできる体制が既にもうあるわけですよね。そうすると、そういう組み方ができれば、自分の県の例えばドクターヘリがどこかに飛んで出ていってしまっていても今度別の県から飛んできてくれるというような、結構広域な連携をつくっておくことがやはりそれぞれにとって非常に救命率を高めるために必要だろうと、こういうふうに思っているんですね。

ですから、やはりこれ、それぞれの県だけに任せていると、それぞれの県の思いとか様々なものの中で進まない実態もあるので、是非ここお願いしたいというふうに思っているのが一つです。

そして、医政局長に運航経費の確保について確認をさせてもらいたいと思いますけれども、ドクターヘリは現在五十七機体制になっていて、来年、長崎二機目入りますので、これで五十八機体制ということになる予定でございますけれども、今後はドクターヘリの空白地域への更なる配備を検討するとともに、結局持続可能なドクターヘリの構築というのがやっぱり不可欠だと、こう思います。

そういう意味で、昨今の燃油の高騰であるとか急激な物価上昇に伴う、機材費が上がっているとか整備費、人件費も上がっている、運航経費が大幅に上昇しているということでございます。これ、実はここの部分については衆議院でも公明党の沼崎衆議院議員が質問しています。このことについて十分対応できているんじゃないかというような答弁を医政局長からもいただいているんですけど、なかなかやっぱり実態は厳しいだろうと思っていまして、要するに、全日本航空事業連合会ドクターヘリ分科会の報告ですと、二〇二三年度の運航経費は三億八千四百六十四万円で、前年度の算定費から約四千四百万円上昇しています。これ運航会社にとっても大変大きな負担になっているんですね、それぞれの運航会社にとって。

ドクターヘリの価格も、今、更新時期を迎えていますので、新しいものにどんどん入れ替えないといけないところもあるんですけれども、結局いろんなその部品のお金とか様々な修理費、人件費とともに機体のお金も異常に上がっていまして、例えば、この二年間で十億円程度で買えたものが、四億円ぐらいプラスになって十四億円になっている。そういうふうに考えると、今、ドクターヘリに対する全体のお金は、確かに九十五億円というお金を出していただいています。前年度から四億円増えている。ただ、一機増やすだけでも四億円必要なんですね。そういう実情があるので、そう簡単ではないだろうというふうに思っています。

やはり、救急という部分は人の命を守る部分において非常に大事な部分でございますので、そういう部分での今機体の更新時期を迎えているという中で、こういう持続可能性を担保していくためにも、この補助金基準額に機材費、人件費、そしてこういう購入経費等の上昇がきちっと継続的に反映できるような取組、是非お願いしたいというふうに思っています。これ是非、医政局長、御答弁いただきたいと思います。

○政府参考人(森光敬子君) お答え申し上げます。
ドクターヘリは地域における救急医療体制の確保に欠かせないものでありまして、ドクターヘリの運航に必要な議員御指摘の燃料費や人件費、それから機体の更新費等の経費に対して財政支援を行っているところでございます。

この補助基準額の設定に当たりましては、関係者からのヒアリングを通じまして、運航時間、それから燃料費、人件費等の最新の状況を勘案して設定しておりまして、令和七年度予算案も含め、毎年度必要な予算の措置を行っているところでございます。具体的には、令和六年度からは補助基準額を飛行時間に応じまして三区分から八区分に細分化をした上で増額し、七年度におきましても運航時間、燃料費、人件費等の最新の状況を踏まえて増額する予定としております。

引き続き、ドクターヘリの安定的な運航体制の確保に向けまして、物価や人件費、機体更新費等の動向も踏まえながら、必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。

○塩田博昭君 今医政局長御答弁いただいたのは、もちろんそのとおりなんですけれども、これは衆議院で御答弁いただいたそのままなんですよ。
要するに、先ほども言いましたように、もちろん航空機の新しいものを買うときに四億円もプラスされているものを全部国が見る必要は当然ないんだと思います。ただ、あらゆるものが上がっていく中で、今の現状の中ではとても対応できないという予算枠になってしまっているので、今後のことを考えると更にちょっと御努力いただいて、我々もしっかり後押ししてまいりますので、どうかこの点、よろしくお願いしたいと思います。

では、ちょっとテーマを変えまして、小児がん経験者の就労支援策の必要性について、厚生労働大臣にお伺いしたいと思います。
ゼロ歳から十四歳までの子供がかかるこれ小児がんでございますけれども、かつてはもう本当に不治の病と言われるほど小児がんかかると大変でございましたけれども、今では約七割から八割の子供たちが治療を終えて生存できるという、こういう時代になってまいりました。そういう中で、生存率が伸びる一方で、小児がん患者は様々な課題を抱えておりまして、それが自立であったり就労の問題なんですね。

小児がん経験者は、治療後に薬、放射線、手術などの副作用が出たり、病気の影響が後々まで続く場合がありまして、これらを晩期合併症と、こういうふうに呼んでいるわけでございまして、この合併症が就労に支援を来している方がいらっしゃるんですね。

愛媛県立中央病院の小児医療センターがこういう調査を出しておりますけれども、小児がん経験者二百三十九人の就労に関する調査によりますと、仕事に就いた八四%のうち八九%は障害者手帳を持っていない、障害者枠ではない通常の雇用で働いていらっしゃるんですよね。ところが、晩期合併症のある方の約半数は仕事への影響が出ているそうです。また、未就労の一六%の方は晩期合併症があって通常の就労は困難というふうに答えていらっしゃいまして、しかし、就労意欲がないのかというと、就労意欲があるんですよね。

こういう方が、是非働きたいんだけれどもということで、ただ、晩期合併症の多くは、慢性的な頭痛とか倦怠感、体力の減退など生活上の不自由はあっても、固定した障害でないために障害認定されずに、よく障害認定された方が使われる福祉の自立支援であるとか作業所的な就労支援を利用できずに、就職、自立への移行システムがないのが今の現状なんですね。

晩期合併症を持つ小児がん経験者にも少しの配慮があればこの方たちの就労も可能なんですけれども、小児がんを克服をされた若者の自立と就労について支援策が是非必要であると、こういうふうに思っておりますけれども、厚生労働大臣の見解をお伺いいたします。

○国務大臣(福岡資麿君) 就労支援、大変重要な観点だと思います。
小児がんはがんや薬物療法等の影響によって晩期合併症が生じることがございまして、小児がん患者の方々には長期にわたる支援体制が重要だと考えています。この点、第四期がん対策推進基本計画に基づきまして、小児がんを経験された方の就労も含む相談支援体制を充実させるために、小児がん拠点病院等における長期フォローアップ体制の整備であったり、がん診療連携拠点病院等のがん相談支援センターにおける相談支援等を実施しております。

また、ハローワークにおいては、小児がん経験者の方を含めた長期の療養が必要な方々に対して、がん診療連携拠点病院等と連携した就職支援を実施してございます。

このほか、厚生労働科学研究において、小児がん経験者などのうち就職未経験者の方々を対象としたキャリア支援プログラムに関する調査研究等も今行っているところでございます。
今後とも、小児がん経験の方の就労支援について、必要な検討を行い、取り組んでまいりたいと思います。

○塩田博昭君 今大臣御答弁いただいたんですけれども、実際はなかなかやっぱりこの晩期の合併症の方に対して支援を行っていくというのは、障害者認定もないわけですから、いかに行っていくかというのはやはりどこかで検討をしていただきながら、こういうものに対する支援、今はもうがんという方は、多くの方が生存をしていくという時代にもう変わってきたので、もちろんそのがんに対する新しい治療薬であるとか医療の発展のために尽くしていく、これ当然大事なんですけれども、その一方で、がんとの共生をどう支えるかという部分を厚くしていかないと、こういう部分で不安を抱えながら生きていらっしゃる方が大変多い、こういう現状の中でここのところも考えていかないと、こういう人たちも頑張って働きたいんだけれども、常にいろんな不安定さを抱えながら次に進めない、こういう方がいらっしゃるので、是非この点お願いしたいと思います。