公明党 参議院議員/全国比例区 塩田ひろあき

活動報告

ドクターヘリ・カーの連携強化で救急医療の拡充を/予算委集中審議

2025年03月14日

3月14日開催された参議院予算委員会の集中審議で質問に立ちました。
石破総理の10万円商品券の問題、ドクターカーの導入支援策の拡充と周知、ドクターヘリとの連携強化、さらにヘリの広域連携の強化など、命を守るために備えるべき事にこだわって総理をはじめ厚労大臣、国交大臣に質しました。

また、毎年10月に実施されている羽田空港の航空機事故の救難訓練に今年こそ、ドクターヘリとドクターカーが併せて参加し、より実効的な訓練をするように求めました。
中野国交大臣は「ドクターヘリとドクターカーが参加した、より実践的かつ効果的な訓練となるよう取り組む」と答弁されました。

<動画はこちら>


<質問と答弁>

○塩田博昭君 公明党の塩田博昭でございます。
今日は、私のライフワークである命を守るということで、感染症の対策であるとか救急医療、そしてがん対策について、総理、また関係大臣としっかり議論しながら内容を深めていきたいと、このように考えておりますけれども、やはり、今、各皆さんの方からも質問があったとおり、まず総理に冒頭お聞きをしたいと、このように思います。

総理がお土産として当選一回の議員に十万円の商品券を渡していた問題につきまして、私は昨夜の報道を聞いて耳を疑ったんですね。余りにも庶民感覚と懸け離れているんじゃないかと、私はこう思いました。

今朝の公明党の代表会見で、斉藤代表も、国民から納得、理解を得られないような行為は厳に慎むべきだと、今回の件を聞いた国民の憤りを総理には真摯に受け止めていただきたい、国民の感覚と大きくずれていると、こう強く斉藤代表も述べられました。

私たち公明党は庶民の党でございまして、どこまでも庶民の側に立って政治を行ってまいったわけでございます。まさに、政治と金の問題が今問われている最中、政治改革を進めているさなかにあって、法的な責任の有無ではなく、責任の有無とかというのではなくて、国民が物価高に苦しむ中で、もっと庶民感覚を持った政治を貫いてもらいたいと強く求めたいと思います。
総理から、国民が納得できる説明をお願いしたいと思います。総理に伺います。

○内閣総理大臣(石破茂君) 斉藤代表の御発言は報道等で承ったところでございます。
先ほど来いろんな厳しい御指摘を受けながら、本当に、議員さんあるいはそれを支えてこられた御家族に対して、済まないな、ありがとう、ごめんねという、そういう思いはありましたが、それはある意味、身内を見ておって、国民の側を見るという姿勢が欠けておったというふうに思わざるを得ませんし、真摯に、激しく、厳しく反省をしていかねばなりません。

それは、もうやはり論理がやや身内に偏っておって、そういう国民の方々が受け取られるそういう思いというものに思いが至らなかった点は、深くおわびを申し上げる次第でございます。大変申し訳ございません。

○塩田博昭君 総理、改めて確認をしたいのは、政治資金規正法や公選法の違反に当たらないと、そして、政治活動ではないと説明をしていただいておりますけれども、再度、国民の皆さんが納得できるような説明を総理の口から改めてもう一度していただきたいと思います。

○内閣総理大臣(石破茂君) 回数が重なりまして恐縮でございます。
公職選挙法は、第百九十九条の二におきまして、公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者は、当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもってすると、するを問わず、寄附をしてはならないというふうに定めます。そこに私の選挙区の方は一人もいらっしゃいませんでしたので、公職選挙法に該当するということはございません、の規定に該当するというような行為ではございません。

政治資金規正法は、第二十一条の二におきまして、何人も、公職の選挙者の政治活動に関して寄附をしてはならないということを定めておりまして、本当にありがとう、済まなかったねという思いでやったことには全く違いはございません。その点はまさしくそのとおりでございまして、これを政治活動に関する寄附というものには該当しないということ、法律上は私自身確認をしておるところでございます。

○塩田博昭君 総理、私たち公明党は与党の一角にありますけれども、だからこそ、この政治改革、先頭に立って進めたいというふうに決意をしているところでございます。総理には、今こそ、今物価高に苦しんでおられる方々に対して誠実に、そして最も寄り添っていただきたい、そのことを強く私から申し上げておきたいと思います。

それでは、テーマを変えて、厚生労働大臣にドクターカーの運行拡大についてお伺いをしたいと思います。

消防白書によりますと、一一九番通報から救急車の現場到着までの平均所要時間というのは約十分なんですね。ところが、一一九番通報から病院の医師までに引き継ぐ時間が平均で四十五・六分も掛かっている。重症患者にとっては一分一秒でも早く医師による治療開始が必要でありますが、平均四十五・六分掛かっているんです。

そこで、ドイツでは救急法という法律、これが制定をされておりまして、傷病者は十五分以内に医師による救命治療を受ける権利がうたわれておりまして、十五分以内の治療開始が義務付けられております。我が国でも一刻も早い治療開始へ、ドクターヘリ、ドクターカーの更なる拡充が必要であると私は思っております。

厚生労働省が昨年十月に公表いたしましたドクターカーの運用事例等に関する調査報告書によりますと、全国七百二十二の消防本部のうち、五五%に当たる四百の消防本部がドクターカーと連携して救護活動を行っているんですね。多くの消防本部でもう既にドクターカーとの連携が始まっております。

このドクターカーを運行する病院は全国で二百六十一病院あるとされておりますけれども、二十四時間フルタイムで運行する病院となると、まだまだ少ないんですね。なぜ少ないのかというと、その要因に、やはりドクターカーを購入するときの購入費、維持費、そして搭載をするための資機材の購入費、ドライバーの人件費などが病院に重くのしかかっているということがあるわけです。そこで、多くの病院では結局、財団から寄附をいただいたり、クラウドファンディングに頼っている、こういう現状があるんですね。

資料一のパネルを見ていただきたいと思います。
では、我が国の支援体制はないのかというと、あるんですね。現在、ドクターカーの導入等に対して国や都道府県、病院がそれぞれ三分の一ずつの負担で購入できる制度があります。ところが、この制度、ドクターカーを運用する病院の七六%が使っていないんですね。じゃ、何で使っていないんだろうかと。その理由を調査をしたこの結果を見ますと、補助金が活用できることを知らなかった、これが、この病院が、最も多い四〇%あるんですね。そして二番目に、都道府県の衛生部局からの周知がなかった、一一%あります。要するに、半数を超える五一%もの病院が補助金の存在すら知らないという驚きの結果なんです。

制度だけつくればいいということじゃなくて、やはり政府はもっと周知に努力すべきではないかと思うんですね。そして、三分の一の病院の負担だけでも大変に重い。厚労大臣、ドクターカーの運行拡大に向けて新たな対策と決意をお伺いいたします。

○国務大臣(福岡資麿君) 委員御指摘になりましたように、患者さんにいち早く適切な処置を行うということは極めて重要なことでございまして、その意味で、このドクターカーが持つ意味合いというのは大変大きいものがあるというふうに思います。

そして、厚生労働省としましては、今年度からの第八次医療計画におきまして、都道府県に対して救急医療提供体制の一部としてドクターカーを効果的に活用することを求めさせていただいているほか、調査研究事業を踏まえましてドクターカー運行マニュアルを作成し、都道府県に周知をさせていただいておるところでございます。

その上で、救命救急センターが車両の購入や運転手さんの確保等に要する費用につきまして財政支援を実施しておりまして、今さっきこれまでの取組については委員からも御紹介いただきましたが、令和七年度予算案につきましては支援内容の拡充、それは、これまで国の負担率が三分の一だったのを国の負担率を二分の一に引き上げるというようなことも盛り込ませていただいておるところでございます。

引き続き、予算の確保に努めますとともに、まさにここの周知が足りないという御指摘でありましたので、都道府県であったり医療関係者の方々に対しての周知もしっかり努めてまいりたいと思います。

○塩田博昭君 今厚生労働大臣から言っていただいたことは非常に大事なことでして、病院の負担も、今まで三分の一だったのを新たな予算案の中には二分の一にすると、こういうことも盛り込んでいただいているわけです。ただ、このことも病院が知らなければ使えないので、是非周知に徹底をお願いしたいというふうに思います。

そして、総理にも救急医療体制の強化についてお伺いしたいと思います。

ドクターヘリは現在、四十六都道府県五十七機体制にまで拡大をしておりますが、来年度に長崎で二機目が導入されますと、全国で五十八機体制にまで拡大をする。拡大をするドクターヘリをより効果的に活用するためには、私は広域連携をもっと充実をさせるということ、そしてドクターカーとの連携強化も必要だと、こう考えております。

ドクターヘリを広域で連携する協定というのは、実は四十五府県で三十一協定結ばれているんですね。しかし、運用面では全く十分じゃないんです。なぜかといいますと、自分の県のヘリが対応できない場合に隣接県に要請できるとなっている協定だからなんです。要するに、救急現場から遠い場所にもし自県のドクターヘリがあっても、そこからまず行くことが優先される。しかし、ドクターヘリ、隣の県もあるんだけれども、場所的には非常に救急現場に近いんだと、だけど、優先することがまず自県のドクターヘリ優先になっちゃったら、行けないんですね。ですから、こういうヘリを要請できる柔軟な体制というのをつくらなければならないと私は思っているんです。大規模事故や重症患者の救急現場には、県境など全く関係ないんですね。最初から他県のドクターヘリを要請できる、生活圏というものを優先した協定に改めていかなければならないと、このように思っています。

現在、運用が始まっている第八次医療計画の基本方針にも、新たに救急用ヘリコプターを効率的に活用できるよう、隣接都道府県と協議し、広域連携体制を構築することが必要であると、このように明記をされております。国はもっと実質的な連携を進めるべきではないかと思うんですね。

そして、ドクターカーとの連携強化もやはり重要なんです。ドクターヘリが飛べない夜間とか悪天候時などはとても有効でありますし、ドクターカーは初期投資がヘリに比べて安価でもあります。

資料二のパネルを見ていただきたいと思います。先ほど例示をいたしましたドイツの十五分ルールというのがありますけれども、ヘリが十五分で到着できるのは五十キロ圏で、五十キロメートル圏になっていることが根拠になっているんですね。日本地図上にドクターヘリの基地病院を中心に半径五十キロの円を描くと、この今、日本地図上にあるような形で、今かなりの部分カバーができるようにはなってきていますが、北海道を見ていただいたり、東北地方を見ていただいたり、まだまだ地域によっては、五十七機では多くの空白地域が存在しております。ですから、少なくても全国に七十機体制が必要だと私は考えております。

まず総理、ドクターヘリの七十機体制の構築とともに、ドクターヘリの広域連携の確立、ドクターカーとの連携強化を推進をしていただきたい。総理の決意をお伺いいたします。

○内閣総理大臣(石破茂君) 御指摘ありがとうございます。

これまで都道府県に対しまして、ドクターヘリの運航経費につきまして財政支援を行ってまいりました。県境を越えました広域のドクターヘリの運航やドクターカーとの効果的な連携が進むように、都道府県に対しまして指針をお示しをいたしておるところでございますが、引き続き都道府県と連携をしながら、ドクターヘリの体制強化、これは今おっしゃいました、まだ五十八機しかないよという御指摘を踏まえてのものでございますが、ドクターヘリの体制強化あるいは効果的な活用を推進をする、これは各県の連携を申し上げておるところでございます。

地域の実情に応じた救急医療体制の確保というものにこれからも取り組んでいかねばならないと思っておりますし、余計なことを申し上げれば、ドクタージェットという言い方は今言わないんだそうですが、ドクターウイングという言い方をするのでしょうか、私、防衛大臣のときにそういう御指摘をいただいたことがありまして、検討したことがございました。これ、固定翼機は回転翼機と違いまして、また運航にも制約がございますが、どうすれば本当に、先ほどドイツの何時間ルールというお話をなさいましたが、日本全国津々浦々そういう体制が整備されるか、厚生労働省とよく連携をして、政府として取り組んでまいりたいと存じます。

○塩田博昭君 総理、ありがとうございます。もう今、最後に総理が言っていただいたドクターウイング、これ、離島なんかもうやっぱりどうしても必要なんですね。沖縄、奄美、こういうところなんかには必要だという声もいっぱいあります。是非こういう部分についても今後検討を進めていただきたいと思います。

そして、関連いたしまして中野国交大臣にお伺いをしたいと思いますが、羽田空港の救難訓練の在り方についてでございます。

昨年一月二日に、羽田空港で航空機同士の衝突事故が発生をいたしました。羽田空港というのは年間八千万人もの多くの方が利用する世界でも有数の巨大空港なんですね。そこで、毎年十月に航空機事故消火救難総合訓練というのを実施しておりますけれども、昨年十月二十四日に実施された救難訓練には、初めて、初めて高規格のドクターカーが羽田空港に入って訓練をすることができました。そして、残念なことでありますけれども、この訓練には東京都のドクターヘリも参加予定だったんですが、直前に諸事情があって参加することができなかった。

この訓練のドクターヘリとドクターカーの参加については、昨年三月二十五日の予算委員会で、私から当時の斉藤国交大臣に対して、羽田空港では平時からドクターヘリとドクターカーを活用した総合訓練が必要だと訴えて、前大臣には、ドクターカーそしてドクターヘリの活用も視野に入れて、より実践的、効果的な訓練、検討を約束をしていただいておりました。そして、昨年十月のドクターカーが実現をしたと思っております。今年も羽田空港で十月に救難訓練が予定されているんですね。

国交大臣、この巨大空港の重要度からも、今年こそはドクターヘリ、ドクターカーが併せて参加できるように御対応をいただきたいと、このように思います。平時の訓練にさえ参加できないようでは、いざというときに参加できるわけないじゃありませんか。東京都のドクターヘリや羽田空港には、千葉県や神奈川県の基地病院からでも十五分で飛んでこれるんですね。そういうことも含めて、是非実現をしていただきたい。答弁を求めます。

○国務大臣(中野洋昌君) 塩田委員にお答え申し上げます。
委員御指摘のドクターカーそしてドクターヘリとの連携、これは空港における事故時の対応として、いち早く医療救護体制を確保する観点から非常に重要な御指摘というふうに私も認識をしております。

昨年十月に実施をした訓練におきましては、関係機関との検討を踏まえましてドクターカーが初めて参加をいたしました。このドクターカーは緊急車両として速やかに空港に到着をすることができます。また、医師が同乗をしているということで、現場において重症者への治療が可能になります。空港の医療救護体制の充実に大きな効果があるということを確認をすることができました。

今後、委員御指摘のとおり、次年度の訓練であります。これは、引き続き関係機関と連携をいたしまして、ドクターカーとドクターヘリが参加をしたより実践的かつ効果的な訓練となるようにしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

○塩田博昭君 大臣、ありがとうございます。
要するに、世界中の巨大空港でも、例えばイギリスのヒースロー空港なんかは、もう何かがあったときには飛行機の真横までドクターヘリを降ろせることができるようなもう体制ができているんですね。羽田はできていない。やはり、そういうことに対してしっかり命を守るという視点で整備をしておく必要があると、このように思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。

では、テーマを変えまして、下水道疫学調査、下水サーベイランスについて厚生労働大臣に伺いたいと思います。

下水サーベイランスは、地域の下水処理場に流れ込んだ下水中の病原性微生物を測定をすることで、地域の感染状況を把握できます。現在、新型コロナウイルスの全数把握が定点把握に移行したことで、下水調査から予測できる感染者数が定点把握よりも二週間ほど早く予測ができたり、新規入院者数の把握にも相関関係があることを東京大学の国際下水疫学講座の北島正章教授が報告をしていただいております。

新型コロナ感染症はまだ完全に終息したわけではありません。実態把握がしっかりされておかないと今後の対策に支障を来すということは明らかだと思います。コロナが落ち着き始めている今だからこそ、この手法を全国で導入をしていただきたいんですね。

世界においてもこの取組は進んでいます。欧米を中心に七十二か国、四千六百五十か所で下水サーベイランスが実は実施をされています。アメリカ、米国では、全米千四百の下水処理場でコロナに加えてSARS、インフルエンザ、エムポックスも定常的に調査し、鳥インフルエンザの調査にも活用されているんですね。欧州連合、EUでは、加盟国が下水サーベイランスを導入する指令を昨年末のEU議会で承認をされました。これによってEU加盟国においては、下水サーベイランスによってコロナ、ポリオ、インフルエンザ、新種のウイルスなどの監視が実施されるようになるんですね。アジアでも、シンガポールでは五百か所以上常時モニタリングをして、全自動化された検査体制で集約的に分析を行っております。

厚労大臣、国民の命と暮らしを守るために、世界でも取組が進むこの下水サーベイランスを我が国においても全国展開すべきだと思います。認識をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(福岡資麿君) 済みません、まず、先ほどのドクターカーに関して、活用促進事業、委員おっしゃったように、これまでは国、都道府県、そして医療機関、三分の一ずつだったのを、この令和七年度から国が二分の一を持つようになるということは、都道府県と医療機関は四分の一ずつになるということで、ちょっとさっき説明が足りませんでしたので、補足をさせていただきます。

その上で、下水道サーベイランスにつきましては、北島先生も同郷ということもありまして直接いろいろお話を聞かせていただきました。感染症の流行状況を把握するために、これまでも感染症流行予測調査事業におきまして、ポリオウイルス及び新型コロナウイルスを対象として実施をしてきたところです。

この新型コロナウイルスのサーベイランスについては、現在十三都県の協力を得て実施してございますが、令和七年度予算案におきましては実施自治体を拡大することといたしておりまして、予算が成立した際にはより多くの自治体で実施されるように協力を促してまいりたいというふうに思います。

また、AMEDの研究におきまして、次の有事への備えといたしまして、対象とするその病原体の範囲であったり、また分析の在り方、実施体制など、下水道サーベイランスに関する研究を行ってございまして、研究成果も踏まえて更に検討を深めてまいりたいと思います。

○塩田博昭君 ありがとうございます。
是非ここは執念を持って実現をしていただきたいんですね。いろんな制約があるかもしれません。また、それ以外にもいろいろやっている研究もあるんだと思います。しかし、この下水サーベイランスについては、今回、予算も拡大する方針と聞いておりますから、全国でしっかり手を挙げて使っていただけるような対応を是非つくってもらいたいと思います。

テーマを変えます。
総理にお伺いいたしますが、火葬場や葬儀場で御遺体を取り扱う事業者の届出制の創設について総理にお伺いいたします。

我が国では一年間に亡くなる方が年々増加をしております。厚労省が二月に発表した二〇二四年の人口動態統計の速報値によりますと、死亡者数は四年連続で増加をし、百六十一万八千六百八十四人となり、過去最多となっております。文字どおり多死社会となっているわけでございまして、ところが、葬祭業をめぐっては行政による認可や登録の必要がありません。葬儀社と名のりさえすれば誰でも営業ができるんですね。悪質な事業者の新規参入が後を絶たず、不当な請求が行われたり、強引な営業、遺体の取り違えなどのトラブルが今頻発しているんですね。

公明党はこの問題に積極的に尽力をしており、私も東京都本部の葬祭業に関するプロジェクトチームの座長として、この問題しっかり取り組んでおります。火葬場や葬儀場では、御遺体を取り扱う事業者の届出制の創設は急務であると私は考えております。

二〇二三年十一月二十八日のこの参議院予算委員会で、当時、我が党の山本香苗議員からこの問題を取り上げて、当時の岸田総理に事業者の届出制の創設を強く迫ったんですね。これに総理は、令和四年度、五年度に御遺体の取扱状況や事業者の対象範囲などを調査をして、その結果を踏まえて、事業者の届出制の要否を含めて、遺体の取扱いに関する規制の在り方を政府として検討したいと、このように答弁していただいた、これが二〇二三年なんです。

それから日がたって、私は届出制の創設急がなければならないと考えておりますけれども、この調査結果を踏まえた結果について、石破総理から御答弁をお願いしたいと思います。

○内閣総理大臣(石破茂君) 委員からの御通告を受けまして、私は墓埋法の話かなと思ったらば、そうではないんですね。私自身の誤解を恥ずるところでございます。

御遺体の取扱いにつきましては、法制度がございません。実態が把握できていないのではないかという御党からの御質問を契機といたしまして、厚労省におきまして、令和四年度及び令和五年度に火葬場、葬儀場、これを対象といたしました実態調査を行いました。その結果、現時点におきまして、届出制などの必要性を裏付ける立法事実の把握には至っておりませんが、令和五年度の調査におきましては、約五六%の事業所が御遺体の取扱いに関する基準や手順がないと回答するなど、適切な取扱いに関し、一定の課題が認められたところでございまして、こうした課題に対しまして、現在、厚労省において、御遺体を取り扱う事業者が遵守することが望ましい一定の基準を定めることについて検討を進めますとともに、引き続き、行っております実地調査において更なる知見の収集を行っているところでございます。

政府といたしまして、届出制等の要否も含めまして、御遺体を取り扱う事業者の質を確保するための方策について検討の上、その結果に応じ適切に対処してまいりますが、事業者が遵守することが望ましい一定の基準の検討につきましては、厚労省におきまして、本年夏までをめどに作業を進めているものと承知をしておるところでございます。その後も、事業者における基準等の遵守状況、効果を見定めながら、適切な検討と対応を行っていきたいと思っております。

「おくりびと」という映画がございました。やはり、そういうことなんだろうと思いますし、コロナで大勢の方がお亡くなりになったときに、この御遺体どうするんだという議論がございました。あのときに、非透過性納体袋という、私、聞かなかった言葉を聞いたのですが、そういう、多死社会でございますので、御遺体の取扱いというものに委員御指摘のような基準あるいは制度というものが必要であるということを御質問を聞きながら痛感をいたしたところでございます。

○塩田博昭君 ありがとうございます。できる限りこの問題についても早く結論を出していただいて、お願いをしたいというふうに思っています。

ちょっと、もう時間ございませんので、次の質問は答弁要りません。

もう、ちょっと質問だけにさせて、問題提起だけにさせていただきますけれども、要するに、横断歩道について、安全対策、非常に大事だと思っていまして、特に視覚障害者の方にとっては、横断歩道、実は、もう四十五センチから、白線、横断歩道の白線間隔が四十五センチから九十センチにこれ広がったんですね。そういう意味で、今後、視覚障害者の安全もしっかり考えていただいた上で対策お願いしたいと思います。

以上で終わります。ありがとうございました。