医療搬送ヘリの安全性確保のため整備士、費用維持確保を/厚労委員会
5月8日の参院労働委員会で質問に立ち、官民問わず医療搬送用ヘリの安全対策を強化するように訴えました。
4月6日に長崎県沖で医療搬送用ヘリが不時着水して3人が死亡した事故について、原因究明を兼ねて「地域医療や救急医療が滞らないように安全対策に一時停止するべきだ」と強調。
福岡厚労大臣からは、「関係最大・組織と連携し、必要な予算確保を含めて取り組んでいく」との答弁がありました。
また、マイナンバーカードの更新手続き案内の郵便物に「音声コード」付記とそれを示す切り欠き加工を実施すること。
薬機法の改正に伴う漢方薬・生薬の柔軟な販売の在り方の確認。
後発医薬品の安定供給体制などについて、厚労省の見解を質しました。
<質問と答弁>
○塩田博昭君 公明党の塩田博昭でございます。
法案の審議に入る前に、何点か質問をさせていただきたいと思います。
四月六日に長崎県沖で医療搬送用のヘリコプターが不時着水した死亡事故につきまして、国の運輸安全委員会が、このほど、コントロールロッドと呼ばれる機体後部の回転翼を制御する装置が破断していたということを明らかにいたしまして、国土交通省は、五月二日に同型機の所有者に対して、装置の点検を実施するように通知を出しました。
この同型機は全国に八十五機あるということでありますけれども、中でも、一分一秒を争う公的なドクターヘリ、五十七機ありますけれども、このうちこれと同型機は二十二機運航されていると、このように認識をしておりますけれども、ドクターヘリの安全性についてどのような結果だったのか、一つは教えていただきたいと思います。
そして、厚生労働省においても、事故後、同型機に対して安全点検を行うように通知を出しております。ドクターヘリの安全性確保について、現状の認識、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(森光敬子君) お答え申し上げます。
まず、ヘリコプターを用いた患者搬送時の安全確保につきましては、機体の種類に関わらず大変重要でございまして、厚生労働省といたしましては、先生御指摘のように、本事案の発生を踏まえまして、地方自治体、医療機関、運航事業者に対して安全確保に向けた注意喚起を図るなど、必要な対応を行っておるというところでございます。
また、今般の事故の発生を受けまして、現在、日本航空医療学会においても、ドクターヘリ基地病院等を対象に、機体の整備状況に関する調査が行われていると承知をしておりまして、今後、これらの調査結果も踏まえた更なる対応を検討するとともに、引き続き、関係省庁及び関係団体と連携しながら、ドクターヘリの安全な運航体制の確保に向けた取組を推進してまいりたいと考えておるところです。
○塩田博昭君 関連しまして、今回のように、ドクターヘリではない民間の医療搬送用のヘリの実態把握についてですけれども、厚生労働省の医政局なのか、それとも国交省の航空局なのか、そしてその際、民間の医療搬送用ヘリの機体の安全点検、整備、運航はどのような体制で管理されているのかについて、まず教えていただきたいと思います。
そして、さらに、今回の事故の現場である壱岐、対馬から福岡県への医療搬送のように、離島から患者を本土の医療機関へ搬送することは島民にとっては命綱になっていると、こういうことでございます。事故後も医療搬送が滞ってはならないと考えておりますけれども、代替手段は確保されているのかについても国交、厚労の両政府参考人からお伺いしたいと思います。
○政府参考人(北澤歩君) 委員から機体の安全点検、整備、運航について御質問がございました。これについてお答え申し上げます。
先ほど委員から御指摘のあったとおり、五月二日付けで、事故機と同型機の所有者に対し、機体制御に係る重要な部位、テールローターのコントロールロッドの緊急点検を指示しました。既に点検を実施したものについては、同型機のドクターヘリを含め、不具合が確認されたとの報告は昨日時点でありません。
また、航空運送事業として医療搬送用ヘリの運航を行う場合は、機体の耐空証明、パイロットの技能証明などの取得に加え、国土交通大臣の認可を受けた運航規程及び整備規程に従った運航及び整備の実施などが必要となっております。
今後とも、国土交通省としては、航空事故の調査の進捗状況も踏まえながら、再発防止に向け必要な措置を講じることにより、航空の安全、安心の確保に万全を期してまいります。
○政府参考人(森光敬子君) お答え申し上げます。
厚生労働省の予算事業を活用せずに運航されております医療搬送用ヘリにつきましては、厚生労働省として報告を受ける仕組みにはなっていないため、その配置状況や出動件数等は網羅的に把握はしておりませんが、国土交通省と密に情報共有し、実態把握に努めているという状況でございます。
また、お尋ねのありました代替の搬送手段の確保についてでございますが、医療搬送用ヘリが運航できない場合の患者の搬送体制につきましては、隣接都道府県との広域連携の協定締結に基づく近隣都道府県へのドクターヘリの要請、また消防防災ヘリや自衛隊ヘリの活用等により確保されているものと承知をしております。
なお、この対馬、長崎の件につきましては、運航停止期間中は佐賀県のドクターヘリや消防ヘリの活用により対応したと伺っているところでございます。
引き続き、関係省庁や都道府県等と連携し、医療搬送用ヘリの実態把握を進めつつ、安全な搬送手段の確保に向けた体制整備に努めてまいりたいと考えております。
○塩田博昭君 もう一問だけこれに関連してお伺いしたいと思いますけれども、こうした墜落事故はドクターヘリも実は過去に起きております。民間を含めて、命をつなぐ医療搬送用のヘリの事故はやはり決して起こしてはならないと、このように思います。今回の原因究明とともに、地域医療や救急医療が停滞しないように安全対策を早急に強化をすべきだろうと、このように思っています。
先日、複数の基地病院でドクターヘリに搭乗経験のある救急医から連絡いただいたんですね。その医師は、ドクターヘリ出動前のあるときに、飛行前点検で整備士がメインローターの音がちょっとおかしいんではないかということに気付いて、急遽適切な整備を実施して事なきを得たと、こういうことでございました。その整備士は、もし飛んでいたら数分で墜落していたかもしれないと、このように整備士も語ったということでございますが、この医師の現場感覚は、優れた整備士ばかりではないようだと、運航会社によって整備士のスキルにばらつきがあるのではないか、全て運航会社で統一した整備環境が必要ではないかと、このように、まあ自分の現場感覚ですけれども、語っていたわけでございます。
国は、ドクターヘリの運航会社や基地病院に機体の安全点検の徹底を呼びかけるだけではなくて、飛行に欠かせないパイロットや整備士の育成と確保、また技術のスキルアップを支える体制整備など万全の体制を講じるためには当然維持、メンテの費用面の十分なサポートが必要だと、このように思っています。
厚労大臣に、事故の再発防止と安全対策の強化に向けた対応と決意、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(福岡資麿君) まず、今般の事故でお亡くなりになられた方に心からお悔やみ申し上げたいと思います。
そして、その上で、このドクターヘリの運航に当たりましては、御指摘ありましたように、操縦士や整備士におきまして、機体の確認であったり、飛行可否の判断が適切に行われるなど、安全な運航体制が確保されるということは極めて重要だというふうに考えております。
このため、国土交通省におきましては、ドクターヘリを始めとするヘリコプターを含めた航空機の操縦士や整備士の育成に向けた取組が行われておりまして、厚生労働省といたしましても、患者さんであったり医療従事者の安全を確保する必要があるといったドクターヘリの特殊性に鑑みまして、運航に関する点検手順の周知や研修、人材確保のための経費支援等を行ってきたところでございます。
その上で、今般の事故発生を受けまして、関係学会においての機体の点検、整備状況や、医師、看護師などへの訓練状況について調査が行われておりまして、こうした調査結果も踏まえ、ドクターヘリにおける一層の安全確保のための対応につきまして、関係省庁及び関係団体と連携しながら、必要な予算確保を含め、取組を進めてまいりたいと思います。
○塩田博昭君 では次に、テーマを変えて、公的な郵便物への音声コードの付記についてお伺いしたいと思います。
各自治体からマイナンバーカードの今更新手続用の封書が届き始めております。この更新手続案内について目の不自由な方々をサポートする団体から要望があったんですね。郵送された手続に必要な書面に音声コードが付与されていないという、こういう指摘でした。
音声コードというのは、紙媒体に掲載された印刷情報をデジタル情報に変える二次元のバーコードでありますが、この中に文字情報が記録をされておりまして、スマホの専用アプリで音声として読み上げることができます。郵便物や印刷物に音声コードが付いている場合、紙媒体の端に切り欠きと呼ばれる半円の切り欠きがあるんですけれども、これがあるために、視覚障害者はそこを指で触れば、そこに音声コードがあるんだということを認識することができるわけでございます。
皆さんの手元に配付した資料を見ていただきたいのでございますが、この資料一というのは全盲の方に届いた実際の封筒でありますが、そして、同封されていた書面が資料の二、三に添付をされております。
私が驚いたのは、封筒にはちゃんと音声コードが付いているんですね。音声コードが付いているんですが、視覚に障害のある方は、切り欠きがないので、肝腎の音声コードが付いている、どうかを認識することができなかった、こういうことが起こりました。そして、同封の三種類の書面全てに音声コードが付記されていないんですね。ここにも、少し青の四角で私が付けてありますけれども、本来はここに音声コードが付いていて、そしてこの横に切り欠きという半円の切り欠きが付いていれば、視覚障害者の方はこの書面が何の文書であるのかが分かるわけでございます。
こういう、この方にとっても、この切り欠きがあればこの音声コードを使って読むことができたわけですけれども、大事なこのマイナンバーカードの更新の案内という、この認識すらできなかったということで、それがないために中身が分からずに捨ててしまうところであった、このような話でございました。この方をサポートしたボランティアの方は、封筒にわざわざ音声コードが付与されているのに切り欠きがないことが全く理解できないということで、惜しい、残念というより、逆に何か、腹立たしいという悔しい思いを訴えられたんですね。
私は、二〇二三年三月二十四日の予算委員会におきまして、視覚障害者の情報取得のためにこの音声コードの普及が必要だということで、当時の岸田総理にお訴えいたしました。総理からは前向きな御答弁をいただきまして、その後、国や自治体からの公的な通知や広報、例えば投票所の入場券、ワクチン接種券など、また年金や医療、各種保険のお知らせ、公共料金の通知などは音声コードが付与されるようにもなってまいりました。
改めて厚生労働大臣にお願いをしたいんですね。マイナンバーカードの更新は言うまでもなく、各種の電子認証や健康保険証との連動などで必須のものでありますし、その更新手続の案内封書はとても重要であると、このように考えております。総務省、デジタル庁とも連携をして、音声コードと切り欠き加工の徹底をお願いをしたいと思います。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 視覚障害者の方が行政手続に関しまして正確に情報を取得できるよう合理的な配慮がなされることは極めて重要だと考えています。
今御指摘がございましたマイナンバーカードの更新手続案内封書を郵送する際の切り欠き加工であったり、音声コードの付与につきましては、マイナンバーカードの発行、交付を所管しております総務省において適切に判断し、対応されるべきものだと承知しています。
厚生労働省からも、総務省に対しまして、視覚障害者の方が地域で安心して生活ができるよう、周知の徹底を依頼してまいりたいと思います。
○塩田博昭君 どうかよろしくお願いいたします。
では、薬機法の改正に関連して、漢方や生薬の医療用医薬品について質問したいと思います。
今回の法改正によって、処方箋がない場合、医療用医薬品はやむを得ない場合でなければ販売できないようになります。しかし、漢方や生薬は、元々は市販薬であったものが後に医学的エビデンスが積み重ねられて医療用として用いられてきた漢方薬が多くあるという経緯があり、既にいわゆる市販薬が存在しない漢方薬もあります。
そこで、日本漢方連盟の各薬局や漢方薬を継続して処方している患者さんから、やむを得ない場合を厳格に運用されて販売規制されるようになると非常に困るという声が届いているんですね。
このことを衆議院の厚生労働委員会で、我が党、公明党の浜地議員が質問をした際に、医薬局長は、現在行われている販売に支障を来さないように、この省令に規定する内容を検討する場合にも適切に対応してまいりたいと、このように御答弁いただきました。
そこで、私からも更なる懸念点について幾つか確認をさせていただきたいと思うんですね。まず、現在行われている販売に支障を来さないの解釈でありますが、この答弁は、一般用にない漢方処方に限り、現在服用継続中の、あるいは以前服用したことのある漢方処方について、医療用漢方製剤を服用することを限定的に認めるといった例外規定のような極めて限定的な措置という意味ではないと理解してよいのかですね。
すなわち、一般用にない漢方処方に限りとしてしまうと、一般用にある処方であっても、例えば顆粒が飲めないとか錠剤が飲めないなどで、その剤形が医療用にしかない場合には提供できなくなってしまうという懸念があります。これでは、患者さんにとって必要な処方が服用できなくなってしまうので、一般用にある漢方処方であっても、患者の置かれている状況等によっては医療用漢方処方が提供できるようになるのがベストであると、このように考えております。
また、現在服用継続中の、あるいは以前服用したことのある漢方処方に限定されてしまった場合は、一般用医薬品を含めた上での漢方薬の適切な選択、推奨ができなくなり、その漢方処方が必要な患者であったとしても、的確な漢方処方が使えなくなってしまう懸念も考えられます。
これらの懸念点を踏まえて、医薬局長からは、現在行われている販売に支障を来さない趣旨について改めて丁寧に御説明願いたいと思います。
○政府参考人(城克文君) 御指摘いただきましたように、漢方、生薬につきましては、伝統医学としての知見の積み重ね、古くからの使用経験等の長い歴史がございまして、一般用医薬品としての販売が認められておりました一方で、医療用医薬品が主流となり、同一成分の一般用医薬品の販売が中止されるなど、現在では医療用医薬品の製品しか製造販売されていない漢方生薬製剤が存在するといった特殊な背景があるというふうに承知をいたしております。
そのため、まずは、こうした漢方生薬製剤につきまして、薬局製造販売医薬品の範囲の見直しでありますとか拡大を検討すること、医療用医薬品の漢方製剤を製造販売しているメーカーへの一般用医薬品の製造販売等の働きかけを行うことなど、安全性の確保を前提として、既存のルールの中での販売ができるように対応を検討することといたしております。
ただ、こうした対応のみならず、現在行われている販売に支障を来さないよう省令を今後検討していくに当たりましては、その内容の具体の検討に際しまして、御指摘いただいたような懸念も踏まえた上で検討を進めてまいりたいと考えております。
○塩田博昭君 是非、そのよく検討の中に加えていただきたいと、このように思います。そして、関連して医薬局長にお伺いいたしますけれども、先ほどの衆院での答弁で医薬局長は、この省令に規定する内容を検討する場合にも適切に対応すると、このように御答弁いただいたわけでございますけれども、この省令に落とし込む際に、規定の表現や解釈について漢方薬や生薬の関係者から是非十分に意見を聴取した上で、柔軟性を持って医療用漢方薬を使えるような措置となるよう適切に対応することが必要であると、このように思います。
そして、改正法の成立後、この省令規定のスケジュールや施行期日のめどについても併せてお答えください。
○政府参考人(城克文君) 今般の薬機法改正法案のうち処方箋なしでの医療用医薬品に関する販売に関する規定の施行日は、公布の日から二年以内に政令で定める日としております。
省令の具体的な内容につきましては、このようなスケジュールを踏まえまして、漢方薬局の業務に支障がないように検討を進めようと思っておりますが、議員の御指摘いただきましたように、漢方薬や生薬の関係者からの十分な意見聴取も踏まえた上で規定を検討してまいりたいと考えております。
○塩田博昭君 では次に、医薬品の安定供給体制の強化についてお伺いをしたいと思います。
今回の改正における大きな柱に、医療用医薬品の安定供給体制の強化があります。ところが、現行の薬機法には安定供給体制の管理について特に規定は設けられていませんでしたが、薬機法改正案の第十八条の二の二で特定医薬品供給体制管理責任者を置かなければならないと、このようにあります。また、第十八条の二の三で、供給体制の管理について遵守事項を定めること、さらに第十八条の四で、出荷停止等の場合、厚労大臣への届出義務を規定するなど、安定供給のために必要な措置を設けた理由について、厚労省の考え方をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(内山博之君) 今般の改正法案におきましては、安定供給関係の規定のうち、御指摘ありました製造販売業者の安定供給体制の整備、それから厚生労働大臣への供給状況報告の届出、こうした規定につきましては、品質の確保された医薬品を国民に提供するための製剤販売業者等に対する規制として薬機法に規定をしているものでございます。
これは、現行法の薬機法の目的が、医薬品の品質、有効性、安全性の確保のために必要な規制を設けること等により、国民の保健衛生の向上を図ることとされておりまして、この目的規定には、品質、有効性、安全性の確保された医薬品を必要とする国民の元へ安定的に届けるという供給に関する事項も含まれているというふうに考えられるためでございます。
○塩田博昭君 では関連して、後発医薬品、ジェネリックの安定供給について質問したいと思います。
例えば、特定の薬品名を出して恐縮ですけれども、狭心症などの治療に処方されるジルチアゼム百ミリグラムについて、在庫不足の薬局が多いために、かかりつけ医からこの薬の分だけ処方箋を分けて発行してもらって、毎月数軒の薬局を回って在庫のあるところで処方してもらっている方から安定供給への要望があったんですね。
どこの薬局でも不足して、注文してあるが半年間全く入らないと言われたところもあるということでございまして、ジルチアゼム百ミリグラムについては、同剤の製造販売業者における品質トラブルに伴う供給量の低下によって、現在、同成分の製造販売を行う全ての企業の製品で限定出荷、全ての需要に応えられない状況となっていると認識をしておりますけれども、今後の改善の見込みなどについてフォローしている範囲でお答えください。
○政府参考人(内山博之君) お答えいたします。
ジルチアゼム塩酸塩の百ミリグラムカプセルにつきましては、御指摘いただきましたように、二〇二一年六月にシェアの大きい製造販売業者が品質上の問題の発生に伴い生産を停止し、さらに、二〇二四年九月に在庫量の減少を受けて出荷量を減少させたということがございました。その結果、他の製造販売業者においても需要に応えられなくなり、全ての製品が限定出荷となったというふうに認識をしてございます。
当該製造販売業者は、本年三月に同剤の生産を再開をしたところと、したところでございまして、今般の品質問題が生じたことを踏まえ、品質の検証を丁寧に進めつつ、供給量を徐々に増やしていく方針であるというふうに承知をしてございます。
厚生労働省におきましても、引き続き、このジルチアゼム塩酸塩の出荷状況についてよくフォローをしていきたいというふうに考えてございます。
○塩田博昭君 今御答弁いただいたこの医薬品以外にも、後発医薬品の供給不足が指摘をされております。その原因は、多品目の医薬品を少量ずつ生産する体制、少量多品目生産といった非効率的な製造体制が背景にあって、また、後発医薬品企業による薬機法違反を契機とした供給量の低下や感染症の流行など、様々な要因によって供給不足が生じていると考えられますが、今や後発医薬品が国民の医療に欠かせないものになっている現状を踏まえると、その安定供給の確保について、医薬品業界の構造的な問題の解決まで視野に入れた抜本的な対応が求められていると思います。
今回、後発医薬品の安定供給を支援するため創設される後発医薬品製造基盤整備基金には、果たして、基金は、果たしてこれらの課題を解決する基金になり得るのか、具体的にどのような支援メニューが提供されて、業界、企業間の連携や協力、再編が後押しされるようになるのか、大臣の答弁を求めたいと思います。あわせて、後発医薬品だけでなく、医療用医薬品全般の安定供給体制の強化についても、取組と大臣の決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(福岡資麿君) 後発医薬品製造基盤整備基金につきましては、御指摘のとおり、後発医薬品産業における供給不安の原因の一つとして指摘されております少量多品目生産の構造の解消に向けまして、企業間の連携、協力、再編を後押しするために五年間の期限を設け設置することとしたものでございます。
具体的には、後発医薬品企業から安定供給に向けた品目統合であったり事業再編等の計画を提出いただき、厚生労働大臣が認定した場合には、品目統合に伴う生産性向上のための施設であったり設備の整備、品目統合や事業再編に向けた企業間の調整等に係る経費を補助することを想定をしております。
既に後発医薬品業界におきましては、複数企業でコンソーシアムを形成し生産拠点の整備等を実施するモデルであったり、ファンドの傘下にあります企業間で連携し品目を集約するモデル、自社の生産能力を生かし他社から依頼のあった自社品を増産するモデルなど、品目統合や事業再編に向けた取組方針を各社が独自に公表しているところでございます。
この基金の活用によりまして、後発医薬品産業全体の生産性の向上を図り、後発医薬品の安定供給を確保していきたいと考えています。
また、あわせまして、この法案に盛り込みました供給体制管理責任者の設置でありましたり、供給停止時におけます届出義務の創設など、市場全体における安定供給体制の整備を図っていくとともに、企業に対する増産の働きかけであったり、増産体制整備への補助、薬価の下支え等といった足下の供給不安への対策にも取り組みながら、医療用医薬品全般の安定供給を確保してまいりたいと思います。
○塩田博昭君 大臣、よろしくお願いいたします。
もう本当に、現場では様々な医療用医薬品製造の安定化について大きな不安が起こっているというのが事実でございますので、しっかり経緯も含めて見ていただいて、よりこの不安がなくなるように取組をお願いしたいと思います。
以上で終わります。