公明党 参議院議員/全国比例区 塩田ひろあき

活動報告

早期の激甚指定と基準の緩和を/罹災証明書の発行の簡便化も/災害対策特別委員会

2023年08月18日

梅雨前線の影響で各地に大雨被害が連続して発生したことを受けて8月17日、閉会中審査が開かれた参院の災害対策特別委員会で質問に立ちました。
7月14日に秋田市など市債現場を視察した調査結果と被災現場の要望を中心に、激甚災害災害の早期指定などを訴えました。

<質問と答弁の概要>

○塩田博昭君
公明党の塩田博昭でございます。
私からは、先ほど委員派遣の報告がございましたけれども、秋田県の大雨被害を中心に今日は質問をさせていただきたいと、このように思います。
もう現地にもう私も入りまして、公明党の県本部の同僚議員の皆さんとともに五城目町やまた秋田市内、各所視察をさせていただきまして、様々現場の声も伺わせていただいたところでございますので、そうした声も含めて今日は質問をさせていただきたい、このように思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。

秋田県では七月十四日から活発な前線が停滞をいたしまして、秋田市では気象庁が統計を取り始めてから二十四時間の雨量が最も多くなるなど記録的な大雨となったわけでございます。大雨被害によって河川の氾濫や土砂災害が相次いで発生をいたしまして、秋田市や能代市、男鹿市、五城目町など県内十五市町村に対して災害救助法の適用が決定をしているわけであります。甚大な被害は今なお深刻な爪痕を残しておりまして、強力な支援が求められているところでございます。

先ほど谷防災担当大臣から激甚災害の指定の見込みについて話があったわけでございますけれども、私も先月二十二日に秋田県知事、佐竹知事やまた秋田市の穂積市長とお会いした際にもやはり口をそろえて言われていたのは、早期の激甚災害の指定、そして財政支援の拡充でございました。

そういう中で、やはり、もう谷大臣に改めて早期の激甚指定を求めた上で、もう一つ、私からは指定基準の緩和について提案をしたいなと、このように考えているところでございます。
近年、台風や大雨による自然災害は激甚化、頻発化しておりまして、その傾向は毎年加速化しているわけでございます。その一方で、いわゆる激甚災害法は激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律でありまして、一九六二年の施行であります。列島を縦断した台風や大震災などを地域を区切らずに災害そのものを指定する本激と局地的豪雨などを市町村単位で指定する局激の二種類がありますけれども、指定基準が厳しくて、一九九〇年代に公共土木施設において全国規模の激甚災害、本激に指定されたのは一九九五年の阪神・淡路大震災のみだったんですね。

このために、二〇〇〇年に激甚災害の指定基準が大幅に緩和をされまして、最近はほぼ毎年本激が指定されるようになっております。その改正からも今約四半世紀がたっておりまして、気候変動に伴って明らかに災害の質が変化をしている、このように思います。大規模な災害のたびに行政の首長の皆さんが激甚災害指定を訴えておりますし、何らかの改善策が必要なのではないかと思います。
激甚化している災害に合わせて激甚災害の指定基準の緩和、そして他の財政支援の制度も拡充すべきと考えますけれども、大臣の見解をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(谷公一君)
公共土木施設の災害復旧事業について申し上げますと、委員御指摘のとおり、激甚災害制度は更なる補助率のかさ上げ等の特例措置を講ずると。元々災害復旧は通常の国庫補助負担に比べて相当手厚い措置になっているわけでありますけれども、それを更に手厚くする。例えば、一般的な公共土木施設であれば、通常は国庫補助が五割だ、災害の場合は七割、そして交付税措置も残り相当部分交付税措置ありますが、激甚災害になれば更に国庫補助を手厚くして八十数%ぐらい国庫が行く、残りの大部分は交付税措置ということで、大変手厚い措置になっている。

そして、そういう中で、今委員が御説明ありましたように、一九九〇年代は豪雨による激甚災害の指定というのが余りに少ないのではないかということで、平成十二年に見直しを行いました。その後、多く、激甚災害の指定、本激の指定ということは相当増えてきているのではないかというふうに思っております。

しかしながら、この基準というのは災害の程度とその自治体の財政力との関連でございますので、平成十二年、二〇〇〇年に見直したときのように、現時点では公共土木災害の経費の増加とそれから税収の増加とのアンバランスがそんなには起きていないのではないかとは考えてはおりますけれども、しかしながら、委員御指摘のように、最近の災害の発生状況あるいは規模をずっと注視しながら今後とも不断の見直しを図っていくことが重要であると思っておりますので、注視しながら在り方ということは検討してまいりたいと思います。

○塩田博昭君 
次に、罹災証明書の発行についてお伺いしたいと思います。
各地方公共団体は、災害対策基本法第九十条の二に基づいて、自然災害などにより家屋などが損壊した場合に、その程度を判定し証明する罹災証明書の発行をしなければなりませんけれども、今回災害調査で私が伺った秋田市役所において、その申請をするために猛暑の中に被災者の方々が長蛇の列ができる事態が起こっておりました。

災害時、被災市町村では短期間に膨大な災害対応業務が発生するために、被災者支援のための業務の迅速化と効率化が求められているわけでありますが、そこで、内閣府において、クラウド型被災者支援システムを構築し、令和四年度から地方公共団体情報システム機構、J―LISが運用開始されているはずでありますけれども、実際に全国の各自治体の中でこのシステムを活用している自治体はどの程度あるのか。

そこで、デジタル庁にお伺いいたしますが、マイナンバーカードを利用してオンラインで本人確認できるぴったりサービスによって、被災者が行政の窓口に行くことなくスマホやパソコンで被害状況を入力して罹災証明書のオンライン申請ができるようになっている自治体の数を教えてください。

○政府参考人(蓮井智哉君) お答え申し上げます。
デジタル庁では、特に国民の利便性向上に資する自治体の手続のオンライン化を推進しておりまして、御指摘の罹災証明書の発行につきましては、マイナポータルよりマイナンバーカードを用いて本人確認を行い、オンラインで申請できるというように対応している自治体が令和四年度末の時点で一千二自治体がございました。
以上でございます。

○塩田博昭君
全自治体の中で約大体五七%程度がオンライン申請ができるようになっているということでありますけれども、関連して、罹災証明の申請に基づく被害調査が終わって、罹災証明書をコンビニ等で受け取れる自治体数はどれぐらいでしょうか。内閣府防災に伺いたいと思います。

○政府参考人(高橋謙司君)
お答えをいたします。
罹災証明書のコンビニ交付は、内閣府が開発し、昨年度から運用を開始したクラウド型被災者支援システムを導入した市町村において行うことが可能となっております。現在、三十一市町村が利用の申込みをしておりますので、システムの導入が完了した市町村より順次コンビニでの交付が可能となる状況でございます。

なお、委員御指摘の秋田市でございますけれども、罹災証明書の関係、なるべく利便を図るということで電話での被害認定調査の申込みを可能として、その際に、自宅に認定調査でお伺いした際に自宅での交付申請を可能とするとか、また郵送での申請を可能とするとか、また郵送での交付も可能とするといった配慮をされておられるものと承知しております。

○塩田博昭君
今答弁で実際にコンビニで受け取れるのは三十一自治体のみということで、やはりまだまだコンビニ交付できる自治体は少ないわけですね。ですから、できるだけ多くの自治体がやはりこういう取組ができるような普及啓発、お願いしたいと思います。

せっかくのクラウド型の被災者支援システムの活用が伸びるように、自治体に寄り添ったきめ細やかな支援策の検討もやはり必要ではないかと、このように思います。大臣のリーダーシップの下に更なる普及を図っていただきたいと思います。大臣の見解をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(谷公一君) 
塩田委員御指摘のとおり、大きな災害が発生したとき、被災市町村においては大変短い期間に膨大な災害対応業務が発生いたします。そこで、いかにそれを効率的にシステマティックにスピーディーにやるかということが自治体には求められているかと思います。

その方策の一つとして、デジタル技術を活用して被災者支援業務などを迅速かつ効率的に実施することが重要だと認識しております。

昨年度から運用を開始いたしましたクラウド型被災者支援システムにつきましては、自治体向けの説明会、全国説明会を開催して、デモ画面を用いてシステムの機能について分かりやすく説明を行う、あるいは、全国市長会の防災対策特別委員会において、市町村長に対し内閣府の幹部から直接説明を行ったほか、また、関心のある自治体に対しオンライン又は現地に出向いて個別に説明を行うなど、丁寧に説明を行ったところであります。
今、導入している自治体に対して導入理由とか活用事例等についてヒアリングをしており、実際の活用事例等を他の自治体にもお示しすることで更に積極的に活用を促していきたいと思っております。

ただ、そうはいっても、まず罹災証明そのものができていなければこのシステムの活用ということは有効に働かないわけでありますから、いかにスピーディーに罹災証明を市町村が発行できるか、その辺も我々内部の方で今、もっと簡略化してスピーディーにできないか、あるいは他の自治体からの応援ももっとスピーディーにできないか、そういうことも含めて検討をしているところでございます。

しっかりと、この時間が掛かる、こういう証明の交付ということが時間が掛かるということはそれだけ被災者の負担も増えるわけでございますので、負担の軽減をしっかり図るように頑張ってまいりたいと思います。

○塩田博昭君
関連してもう一つ、マイナンバーカードを使ってコンビニなんかでは住民票とか印鑑登録証明書なんかの写しが出せるわけでございますが、結局、高齢者の皆さんにとっては少しハードルが高いように思うんですね。そういうデジタルを使って更に便利にしていく、これは当然必要ですけれども、例えば市役所の様々なイベントをやるとか窓口に置くとかですね、ダミーでもいい、デモでいい、そういうもので、いろんなところで高齢者がそういうものを触ってみて訓練できるような、ダミーでいいです、そういうことができるような機会を増やしてもらえれば、いざ自分が罹災証明取るときに、コンビニに行って簡単にそのボタンを押せる、こういうことが起こると思うんですね。

是非そういう取組も努力していただきたい、このように思います。また、各自治体の解説動画も有効だと思いますので、是非、大臣、そういうことについての見解をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(谷公一君)
委員おっしゃられるとおり、いきなり高齢者の方が罹災証明書を、コンビニで行っても、なかなか手間取るかと思います。そのために、ふだんからの広報、あるいは引き続きそういったことが周知できるようなやり方、あるいは、ちょうど給付金のときにありましたように、自治体によってはボランティアを募って高齢者への支援といいますか、お助けというか、そういったこともやった例もありますので、様々な方法でよりスピーディーに簡便に証明書を受けられるような方策についてまた検討を進めてまいりたいと思います。