公明党 参議院議員/全国比例区 塩田ひろあき

活動報告

視覚障がい者の情報取得取のため「音声コード」の普及を/予算委集中審議

2023年03月24日

3月24日、参議院予算委員会の集中質疑で質問に立ち、①物価高対策として「地方創生臨時交付金」のさらなる活用②視覚障がい者のための「音声コード」の普及拡大③公的サイトのウェブアクセシビリティの検証と向上④2025年東京デフリンピック開催に向けた取組──などについて、岸田総理はじめそれぞれ担当大臣に見解を伺いました。

「地方創生臨時交付金」の物価高対策への活用については、各自治体が一日も早く、新たな支援を行えるよう、交付金の自治体への配分金額を早く明示するように岡田地方創生担当大臣に要望。

岡田大臣からは「予備費の活用が決まり次第、直ちに各自治体に配分額も含め伝える」との答弁がありました。

また、視覚障がい者のための音声コードの普及拡大については、岸田総理に対して、国や自治体からの公的な通知や広報などについて、音声コードの普及を早急に進めるよう、関係部署に指示して頂きたいと、強く要望しました。

総理は、視覚障がい者の情報取得取と利用のためには、環境整備と合理的配慮が必要だと言及した上で、ウェブアクセシビリティ向上の対策も含め、一部自治体などの先取的な事例を積極的に横展開する旨の答弁がありました。

予算委員会 集中審議

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以下、質問の全文を掲載します。

1、物価高対策として「地方創生臨時交付金」の活用
①地方自治体の迅速な支援を後押し

初めに、物価高騰対策について伺います。
「物価高騰の波が押し寄せている」と、多くの方の悲鳴を聴いています。現場の声を聴けば聴くほど、地域によって、求められる課題は異なります。

そこで政府が、自治体が独自に使える財源として「地方創生臨時交付金」を新たに1.2兆円措置することは高く評価しています。
今月15日に公明党が総理に提言を行い、交付金の積み増しも求めたところです。

昨年の交付金では、自治体によって、プレミアム付き商品券の発行や学校給食費の値上がり分の支援、プロパンガス料金上昇分の補助など――国民の暮らしを守る取り組みに「とても助かった」という声を聴いています。

そこで岡田大臣に伺います。各自治体が一日も早く、新たな支援を行えるよう、交付金の自治体への配分金額を早く明示して頂きたい。いつ頃までに可能かもお聞きします。

②生活困窮者支援を行うNPO法人等への支援を交付金活用の好事例として推奨を

併せて岡田大臣に伺います。新型コロナウイルスに伴う雇用環境の悪化や物価高騰などの影響で、生活困窮者への支援を行うNPO法人などへの支援依頼が増えています。

このため、食事支援や自立支援などに取り組んでいる支援団体のうち、財政面の課題から、十分に対応できない状況が生まれています。

支援団体の多くは寄付や助成金などに頼っているため、自治体が独自に使える臨時交付金の好事例の一つとして、積極的に推奨して頂きたい。岡田大臣いかがでしょうか。

2、全ての人が安心して暮らすことのできるユニバーサル社会の実現
①「音声コード」の普及で視覚障がい者が情報取得や意思疎通に困らない社会へ

次に、視覚障がい者の情報取得について伺います。
全ての障がい者が、障がいの有無によって分け隔てられることのない社会をめざし、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法が昨年5月に施行されました。ところが今も視覚障がい者にとって、情報の取得や利用には多くの苦労があります。
内閣府のホームページに、こう書いてあります。

「視覚障害のある方は必ずしも点字を読めるわけではなく、多くの方は、主に音声や拡大文字によって情報を得ています。文字情報を音声にする方法は、補助者による代読や、パソコンの音声読み上げソフトを用いる方法のほか、文字内容をコード情報(音声コード)に変換して活字文書読上装置を使って音声化する方法があります」。

その通りでして、自宅に届く郵便物は補助者による代読か、文字をコード情報に変換して、読み上げ装置やアプリで聞いています。

個人情報が詰まった自分宛の郵便物を自分で読みたいのです。
視覚障がいの手帳を持っている人のうち、「点字」が読める人は、わずか1割。他の疾病や高齢化などで、文字を読み辛い人は160万人との報告もあります。

音声コードというのは、紙媒体に掲載された印刷情報を、デジタル情報に変える二次元のバーコードです。この中に文字情報を記録できます。
印刷物に音声コードが付いている場合、紙媒体の端に「切り欠き」と呼ばれる半円の穴が付いているため、視覚障がい者は、そこを指で触れば音声コードの場所が分かります。

例えば、代表的な例として選挙の「投票所入場券」。自治体から届くこうした封書のほとんどに音声コードが付いていないため、何の封書か分からず誤って捨ててしまうこともあります。また最近の例では「ワクチン接種券」も同じです。

せめて国や自治体からの公的な通知や広報、また年金や医療、各種保険のお知らせ、公共料金の通知などに音声コードは必須で、もちろん封書の中身にも必要です。

そこで総理、公的な通知について、この「音声コード」の普及を早急に進めるよう、関係部署に指示して頂きたいと思いますが、総理いかがでしょうか。

②自治体の公式サイトなどウェブアクセシビリティの検証

視覚障がい者にとって、インターネット情報は貴重な情報源です。
総務省の調査によると、視覚障がい者のうち、9割を超える人が利用しています。

一方で最近は、省庁や自治体の公式サイトにも、音声読み上げ機能が付いていますが、使い勝手が悪いというのが実態です。

少し専門的ですが、省庁をはじめ、自治体の公式サイトが、必要な情報にアクセスできる「ウェブアクセシビリティ」のJIS規格と運用ガイドラインに合ったホームページになっているのか、また音声読み上げ機能に適したHTML文書の構造になっているのか
──などについて、デジタル庁が先頭に立って検証し、さらに改善に取り組むべきです。デジタル庁の見解を伺います。

特に、災害情報は命に直結します。
視覚障がい者が、例え災害情報のページにたどり着いても、PDFでハザードマップが作られている場合は、音声コードがあっても、適切に読み上げてくれません。

ハザードマップのように命に関わる情報については、視覚障がい者もすぐに情報が得られるよう、自治体に対して音声コード対応のマップ作成や、例えば北海道の苫小牧市などが導入している「音声版ハザードマップ」のように「耳で聴けるハザードマップ」の作成を推進すべきです。国交大臣の見解を伺います。

政府が全国で進めているデジタル推進委員によるスマホ講習会について伺います。この講習会は高齢者に限らず、視覚障がい者も、多くの人が必要としています。

視覚障がい者も対象にして頂きたい。教える能力のある視覚障がい者に教えてもらった方が理解が早いと言います。この新たな発想で、講師を希望する人は採用してもらいたいと思います。河野大臣、前向きに検討をお願いします。

3、2025年東京デフリンピック大会の成功に向けて

①デフリンピック開催に向けた総理の決意

2025年に、聴覚障がい者の国際スポーツ大会「デフリンピック」が東京で開催されます。聴覚に障がいのある方が、さまざまな困難を乗り越えてスポーツに挑戦する「ろう者のオリンピック」。
世界70~80カ国・地域から、選手約3000人の参加が見込まれています。
このデフリンピック大会が日本で初開催されることは、国民にとっても、極めて大きな「勇気と希望を共有できる大会」になるのではないでしょうか。大会の成功に向け、総理から決意を伺います。

②各国選手団との交流事業の開催

デフリンピックに参加する世界の選手との交流事業について伺います。
国内には465の自治体が「手話言語条例」を制定しています。海外選手との相互交流を行ってはどうでしょうか。
貴重な体験の場になると思います。文科大臣、具体的に検討して頂きたい。

③普及啓発活動

約100年の歴史を持つ「デフリンピック」ですが、日本での開催は初めてです。
そのため、認知度は極めて低く、デフリンピックの存在自体、あまり知られていません。
日本財団が2021年に行った調査では、パラリンピックの認知度が97.9%に上る一方で、デフリンピックは16.3%。

デフリンピック大会成功に向けた機運醸成には認知度アップが最大の課題です。あらゆる機会を通じ、グッズも含め、広報や普及啓発に取り組んで頂きたい。総理の決意をお伺いします。

4、命を守る救急医療体制の強化
①ドクターヘリとドクターカーの連携強化とドクターカー導入時の支援策拡充と周知・徹底

救急医療の取り組み強化について伺います。
ドクターヘリは現在、全国56機体制。57機目も目前です。こうしたドクターヘリの基地病院は、高度な救命救急体制を備えているため、ドクターヘリとドクターカーを同時運行する病院も増えています。
そこでドクターカーの導入支援について伺います。
国による3分の1の購入費補助があることは承知していますが、病院の負担が大きく、あまり使われていません。

一方で、国の支援制度を知らない病院も多く、ドクターカーの導入に、財団からの寄付やクラウドファンディングに頼っている事例もあります。ドクターカー導入に、さらに購入・運行支援の充実が不可欠です。厚労大臣の見解を伺います。